遺伝子組換えの基本情報

遺伝子組換えのメリット

食べるワクチンを含む作物の研究

発展途上国では多くの乳幼児がジフテリア、破傷風、麻疹などの予防接種を受けられずに命を落としています。ユニセフによると、5歳未満で亡くなる乳幼児のうち、1日あたり3,800人の命はワクチンさえあれば守れる可能性があるとされています。 発展途上国におけるワクチン不足の原因は、ワクチンそのものが不足していることに加えて、ワクチンの輸送や保存のための特別な冷蔵設備が整っていないことが背景にあります。 そこで、遺伝子組換え技術によって、冷蔵保存しなくても効果を維持することができる「ワクチンを含む作物」の開発が進められています。 ワクチンには注射により接種するものだけではなく、口から摂取して小腸上皮から作用し効果を発揮する「経口ワクチン」があります。そこで遺伝子組換え技術を使って、この経口ワクチンとしての機能を持つ成分を作物中に作らせる研究が進められています。たとえばコレラワクチンの成分を含むコメやバナナ、ジャガイモなどの作物は、「食品と同じように食べられるワクチン」として開発が進められています。冷蔵整備がなくてもワクチン成分を含む作物を食べるだけで予防効果が得られたり、注射しなければ注射器を介した二次感染の心配もなくなるので、発展途上国においては特に有効な手段となります。遺伝子組換え技術を使って作られる作物の中でも、今後の開発が期待される分野です。