よくある質問 - 未来編

質問

現在、海外で開発中の遺伝子組み換え作物にはどのようなものがありますか。

回答

害虫抵抗性や除草剤耐性の作物など、既に実用化された遺伝子組み換え作物は、農家に大きなベネフィットをもたらしています。現在開発が進められている作物には、より高収量の作物や耐病性の作物、栄養成分組成を向上させた作物、さらには、乾燥や高温、塩害などのストレスに強い作物などがあります。これらの開発には、増え続ける世界の人口や気候変動への対応を視野に、世界中の企業や公的な研究機関が取り組んでいます。

植物病に強い作物

植物病による作物の被害は甚大です。従来の育種では作出することが困難な耐病性の作物品種も、遺伝子組み換え技術の活用により、実用化が期待できます。既にパパイア・リングスポット・ウイルスに耐性を持つGMパパイヤや、いくつかのウイルスに耐性をもつGMスカッシュ(西洋カボチャ)などが実用化されています。この他、米国の柑橘生産で大きな問題となっているカンキツグリーニング病 に耐性をもつGMオレンジ、プラムなどの核果類に被害を及ぼすプラム・ポックス・ウィルスに耐性をもつGMプラム、害虫が媒介するピアス病に悩むぶどう生産者が期待をよせるGMぶどう、アイルランドに飢餓をもたらしたバレイショの胴枯れ病に耐性をもつGMバレイショ、などの開発が進行しています。

栄養成分を改善した作物

国際稲研究所(IRRI)が開発を進めているゴールデンライスには、ビタミンA前駆体のβ?カロテンが豊富に含まれています。開発途上国では、ビタミンAの不足による失明や疾病が深刻な問題となっており、主食であるコメからビタミンAを摂ることが出来れば、多くの子供たちを疾病から救うことができます。

同様な取り組みはキャッサバやバナナでも行われています。主にアフリカの人々が主食とするキャッサバは、カロリーは豊富である一方、ビタミンAや鉄分、タンパク質の含量が低く、これらの栄養成分を強化したキャッサバが、各地の研究機関によって開発されています。また、ビタミンA前駆体のα-カロテンとβ-カロテンを豊富に含むバナナは、オーストラリアの大学が開発に取り組んでいます。主食作物への取り組み以外にも、より健康に良い油分を含むダイズ、タンパク質の含量を高めたバレイショ、糖尿病や心血管疾患のリスク低減が期待されているフラボノイドを強化したトマトなど、様々な作物が開発されています。

ストレスなどに強い作物

異常な高温や低温、干ばつ、洪水や塩害などの非生物的ストレスは、作物に大きなダメージを与えます。気候変動が更に拡大すれば、作物の栽培が困難になる地域が増えると予想され、これらのストレスに耐える作物の開発は急務となっています。現在、開発が進められている技術には、次のようなものがあります。

乾燥耐性技術

土壌水分が長期にわたり低下した農地でも、作物の生存を可能にします。既に乾燥耐性トウモロコシが実用化され世界各地で栽培されていますが、その他の作物についても現在開発が進められています。

耐塩性技術

灌漑農地では、灌漑水に含まれる天然の無機塩が時間と共に土壌に蓄積していきます。このため、世界の灌漑農地は、その40%でしか作物の栽培ができません。
現在開発中の耐塩性作物は、通常よりも50倍も塩分濃度の高い(海水の三分の一の塩分濃度の)土壌でも、生育が可能です。この技術は、ますます深刻化する淡水資源への塩水の浸食問題にも極めて有効な解決策になります。

窒素利用効率技術

作物の窒素利用効率を高め、窒素肥料の地下水への流出を低減することができます。この技術を利用することで、収量を維持あるいは増加させながら、肥料の使用量を減らすことが可能です。

(出典)
・GMO Answers “Can genetic engineering protect plants from disease?”
・GMO Answers “How is biodiversity impacted by the introduction of GM crops?”
Golden rice
The Donald Danforth Plant Science Center
The Journal of Nutrition (136: 2331~2337, 2006)
・INDEPENDENT“GM banana designed to slash African infant mortality enters human trials”

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