GMO Answers

質問

質問者 Jason lorah Lorah

なぜ遺伝子組み換え生物(GMO)は多くの国々で禁止されているのですか?

回答

バイオテクノロジー情報協議会(CBI)の専務理事、キャサリン・エンライト氏(Cathleen Enright)が、最近同様な質問に答えています。以下に、回答を引用しました。

遺伝子組み換え食品の輸入を禁止している国は、私の知る限り、ケニアだけです。2012年11月の閣議で、既存のケニア・バイオセーフティー法、並びに、GMOの使用統制のために設立された規制機関である国家バイオセーフティー局を形骸化させる決定がなされたのです。

 

GMOの規制システムが存在するその他すべての国々では、食品や飼料としてのGMOの輸入が認められています。これらの国には、欧州連合(EU)も含まれており、EUにはGMOの評価や認可を行うための完全かつ包括的な規制システムがあります(EU法)。

 

欧州食品安全機関(EFSA)のサイトでGMOに関するFAQをご覧ください。

http://www.efsa.europa.eu/en/faqs/faqgmo.htm.

 

EFSA理事のGMO食品についての声明はこちらをご覧ください。

http://www.euractiv.com/innovation-enterprise/commission-science-supremo-endor-news-514072

 

実際のところ、GMOに対するEUの安全評価プロセスは、日本や中国、ブラジル、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、米国、その他諸国を含め、世界の国々のプロセスとほとんど変わりがありません。そして各国とも、GMOは、対照となるGMではない生物と実質的に同じであると断定しています。

 

多くの人々がEUでは食品や飼料向けのGMOは禁止されていると誤解しているようです。私見ですが、EUでは世論が割れており、またEUの承認プロセスが大幅に遅れていることが、誤解の源のように思えます。特に承認プロセスの最終段階となる政治決定プロセスで、欧州食品安全機関(ESFA)が示した科学的見解の是非についてEU加盟各国の投票が行われるのですが、この段階での遅れが著しいのです。EUでは、2011年半ばまでに、39のGM製品が食品や飼料用として使用が承認されているものの、承認プロセスの遅延により、72ものGM製品に対する承認が滞ったままになっています。

 

EU内でのGMO論争にも関わらず、EUは、域内の畜産業を支えるために必要な高タンパク飼料の72%(2011年)を、ブラジルやアルゼンチン、米国から輸入しているのです。 そして、その輸入飼料の大半はGMOなのです。

 

EUが栽培用に承認した遺伝子組み換え作物は二種類だけです。一つ目は、遺伝子組み換えトウモロコシで、壊滅的な被害を与えるヨーロッパ・アワノメイガという害虫に、耐性をもっています。二つ目は、遺伝子組み換えバレイショです。従来のバレイショに含まれる2種類のデンプンの内、1種類(アミロぺクチン)のみを含むバレイショで、製紙業などの工業用途に適しています。EU加盟国の内、8ヵ国(フランス、ドイツ、ポーランド、イタリア、ルクセンブルグ、オーストリア、ハンガリー、ギリシャ)は、害虫耐性のトウモロコシ品種について、EFSAが2012年に本品種の禁制は妥当ではないとの判断を示したにも関わらず、環境問題を理由に禁止しました。これらは政治的な禁止であり、EU中央政府による科学的な助言とは、矛盾したものです。スペインとポルトガルの両国は、引き続き害虫耐性のトウモロコシを商業栽培しています。 ドイツやスウェーデン、チェコ共和国は、アミロペクチン・バレイショを栽培しています。

 

EUとは対照的に、日本には、機能的かつ科学に基づいたGM製品の規制プロセスがあり、比較的予想可能な時間軸で、GMOの評価や承認がなされています。 2011年半ば迄に、日本は、食品用途に130のGM製品を承認、その内、95製品に関しては環境放出(耕作を含む)を視野に評価されています。

更にご質問があれば、お寄せください。

回答者 コミュニティ・マネジャー

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