GMO Answers

質問

質問者 Transparency (カルフォルニア州、ウォルナッツ・クリーク)

アメリカ環境医学アカデミー(AAEM)は、「GM食品は適切に検証されておらず」、「深刻な健康リスクをもたらす」、「GMOのヒトに対する臨床試験は一例も公表されていない(下線部分は質問者が強調)」と述べています。 ペトリ皿や実験室での試験は、ヒトに対する臨床試験と、決して同等とみなすことは出来ません。ヒトの体は、はるかに複雑なのです。 ヒトへの臨床試験が殆ど、あるいは全く行われていないとすれば、どうしてバイテク業界は、他の種類の試験結果だけで、GMOが安全であると単純に「想定」できるのでしょうか?安全であるという想定は、単なる包括的な相関性に基づいた仮定に過ぎないのではないでしょうか?

回答

GMOアンサーズへの質問ありがとうございます。私たちは皆、GM種子由来の食品を含め、自分が口にする食品が安全であるか否かを知りたいと思っています。

カルフォルニア大学デービス校、インターナショナル・バイオテクノロジー・プログラムの副所長であるデニール・ジャミソン・マッククラング氏は、最近寄せられた質問への回答で、GMOの健康と安全性に関し、次のように述べています。

「GMO食品には、長期にわたる安全な実績があります(市場にでてから17年)。 1996年に登場して以来、現在に至るまで、科学者たちは、繰り返しかつ広範な試験を行い、GMO食品は、同等の非GMO食品と比較して、リスクの度合いや栄養成分の値に差が無いことを明らかにしてきました。」

「特定の遺伝子を加減して開発された既存のGM作物は、遺伝子を無作為に組換えて作られる伝統的作物や有機作物と比べ、安全性に違いはありません。 ほとんどの人は、植物育種家たちが、何世紀にもわたって、植物ゲノムを無作為に変更し、混ぜ合わせてきた歴史を知りません。 多くの従来型作物や有機作物の開発には、化学薬品や放射線を使って植物のDNAを切断し、突然変異を起こさせる技術が活用されてきました。 伝統的な手法であれ、遺伝子組換え手法であれ、植物科学者たちの目標は、新しく、農業上有益な形質をもつ作物を開発することなのです。 人類は何世代にもわたって植物のゲノムを変えてきました。現在では、私たちは、より新しく、精密なツールを用いて、これを行っているだけなのです。」

 

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校、食品安全・栄養学の名誉教授ブルース・チャッシー博士は、 ヒトの摂食試験について回答を寄せていますので、彼の見解を下に引用させていただきます。彼の回答の全文は、以下からご覧ください。

「GM作物やGM作物由来の食品の成分は、慎重に調べられています。毒性学や食物アレルギー、栄養学の知識を駆使することで、食品が有害作用を持つかどうかを、成分データだけからでも予測することができます。成分の調査研究により、食品そのものを使った動物実験よりも、安全性についてより確かな情報を得ることが出来ます。実際、多くの科学者は、食品そのものを使った動物実験の有益性を疑問視しており、そのような動物実験は不要であると提言しています。ヒトでの実験はさらに実施が困難で、食餌の成分が同じであれば結果も同じであるため、有益な情報もほとんど得られないと考えられます。食品そのものを摂食させる場合、動物実験であれば、動物に大量の食品成分を含んだ餌を毎日与えることができますが、ヒトの場合には、そうはいきません。さらに、動物実験では、最後に死亡後検査が実施され、ほぼすべての組織について病理検査を慎重に行うことができるため、供試された食品を大量に摂取したことによる病変を確認することができます。

 

もうひとつ、「Science-Based Medicine」に掲載された、「環境医学―あなたの知らない世界」という記事からの引用を紹介します。

「AAEMはthe American Board of Medical Specialties(米国専門医資格認定機構)から認定された団体ではありません。 疑わしい組織として、Quackwatchに紹介されています。 そして米国環境医学会は、怪しい認証機関の一つとしてリストされています。」

「・・・・環境医学の患者は、世界が彼らを病気にさせたと教わります。 彼らは自分たちの症状を、あらゆるもののせいにします。携帯電話から自分の家の壁まで、大気汚染から食品添加物に至るまで。一つの化学薬品に問題がないとしても、多くの異なる化学薬品や物質が、患者の対処能力を圧倒してしまうのだ、という理論なのです。」

「環境医学には、人が環境刺激物に触れた際に経験する有害反応も含まれます。 人が感受性を示す刺激物は、空気中や食品中、水中、薬物中にだけでなく、往々にして家の中、職場、学校、そして遊びの環境にも存在します。これらの物質に触れると、一つ以上の器官に悪影響を与える可能性があり、往々にして、その影響は本人や医者には分らないのです。」

「この団体による治療ガイドラインは、ここに記されています:http://www.aaemonline.org/practiceguidelines.html。 彼らの推奨する診断テストには、疑わしいものが少なくありません。ちなみに、彼らの治療には、原因回避、免疫療法、栄養補助食品、解毒、食事制限、薬物が含まれます。」

 

さらにご質問があればhttp://www.gmoanswers.com/ask.にお尋ねください。

回答者 コミュニティ・マネジャー

回答者

no image

コミュニティ・マネジャー

Community Manager

GMOAnswers.comのモデレーター

Pagetop