GMO Answers

質問

質問者 Rickinreallife (ネブラスカ州、リンカーン)

一つ以上の遺伝子組み換え形質をもつ交配種を成功裏に開発するには、構想から商業化までに、どれくらいの時間と費用がかかるのでしょうか?また、費用の合計を、規制承認を得るために要する費用、規制承認の必要がなくてもかかる費用に分けて、教えていただけますか? 私が思うに、規制承認を得るために何年もの時間や数千万ドルもの費用がかかることが、公共部門や大学、産業団体、その他の機関が、公共向けに形質を開発し提供する上で、大きな妨げになっているのではないでしょうか。

回答

ご指摘の通り、新しいバイテク作物を市場に出すには、膨大な時間と資金が必要であることは事実です。2011年に実施された調査によると、2008年から2012年の間に導入された新たなバイテク植物形質の場合、発見から開発、承認までにかかった費用は、一つの形質あたり、1億3,600万ドルであったとしています。平均すれば、総費用の26%(3,510万ドル)が、規制試験や規制プロセスに関連して発生した費用です。同じ調査から、発見プロジェクトの開始段階から商業化までに要した期間は、平均して13年であったことがわかりました。製品開発において最も時間がかかるのは、規制科学や登録のための活動段階で、2011年に導入された形質の場合、約5年半かかっています。

開発費用は膨大ですが、害虫や病気、その他の問題から農家が被る損害も極めて大きく、新たな形質は、農家がこれらの問題に対処することができるようにデザインされているのです。例えば、米国農務省によると、毎年、ネキリムシがトウモロコシにもたらす被害額は、米国だけで10億ドルにのぼると推定しています。これらの害虫を防除する形質を導入することにより、農家の生産性を引き上げることができるのです。

新たなバイテク作物の商業化にかなりの費用がかかることは、公共セクターや大学、その他の機関にとって、大きな課題であることは確かです。 このため、官民間のパートナーシップが欠かせないものとなってきます。デュポン社及びデュポンパイオニア社は、伝統的に、問題解決に向けた共同アプローチを実践してきました。有望な形質や技術の開発をすすめるため、組織が協働して当たる例は多々あります。例えば、アフリカ向け生物強化ソルガムや、アフリカの土壌に適した改良トウモロコシ・プロジェクトは、デュポン社が支援している活動です。

回答者 ウェンデリン・ジョーンズ

回答者

ウェンデリン・ジョーンズ

Wendelyn Jones

デュポンパイオニア社、グローバル・ポリシー及び科学部門、ディレクター

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