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質問

質問者 Musyoka Urbanus... (ケニア、ナイロビ)

偶発的混在とは何ですか、カルタヘナ議定書(CPB)で規定されているのですか?

回答

バイテク作物との関連で言えば、「偶発的混在(あるいはAP)」とは、いかなる所轄政府当局からも商業用として未承認の農業バイテク製品(例えば、研究段階のイベントや試験圃場からの漏出種子)が、最善の農業慣行や製造管理が行われているにもかかわらず、商業用の作物や食糧から微量に検出されることを言います。農業バイオテクノロジーにおいては、同様の概念である「微量混入(あるいはLLP)」が定義されており、これは、一か国あるいは複数の国で承認されているものの、輸入国では未承認である農業バイテク製品が、非意図的に微量含まれる場合を指します。つまり、少なくとも一か国の所轄政府当局において、完全な安全性審査が既に行われ、食品や飼料、加工用として承認されているものの、輸入国では、同様な審査が行われておらず、承認がなされていないことを意味します。LLPとAPの違いは、すなわち、バイテク製品の承認状況の違いです(APは、規制当局から全く承認を得ていない場合であり、LLPは少なくとも一か国では承認が得られている場合の微量混入です)。

バイオセーフティーに関するカルタヘナ議定書(CPB)、別名バイオセーフティー議定書(BSP)は、遺伝子組み換え生物(LMO)(基本的に、ほとんどの農業バイテク製品)の越境移動を管理するための国際協定です。 BSPには、LMOの取り扱いや輸送、こん包、識別に関する課題への対処方法が規定されています(第18条)。BSP締約国には、議定書第18条の第2項により、船積書類にLMOであることが識別できるような措置を講じることが、義務付けられています。これらの識別要件は、LMOの使用目的(食品や飼料、加工、あるいは研究材料や栽培)によって異なります。よって、BSPの規定は、LMOの識別という点で、積荷の農業バイオテクノロジー製品が何であるかについての課題には対処していますが、それらの製品の規制承認状況が問題となるLLPには対応していないのです。

LLPについては、現在、世界的なレベルで協調して対処する、グローバルLLPイニシアチブと呼ばれる政府主導の取り組みが、進められています。グローバルLLPイニシアチブは、LLP管理のための世界的ソリューションの構築が、貿易の混乱の低減や透明性、予測可能性の向上に役立つとの理解のもとに、カナダ政府が、LLP問題に協調して取り組む意向の国々、あるいはこの問題に興味を持つ国々に呼びかけて開催した会議が発端となっています。2012年3月及び9月、並びに2013年9月に開催された会議には、次の国々からの代表が参加しました:アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、チリ、中国、コロンビア、コスタリカ、欧州委員会、インドネシア、日本、メキシコ、パラグアイ、フィリピン、ロシア、南アフリカ、米国、ウルグアイとベトナム。次回の会議は2014年の第3四半期に予定されています。

回答者 サラ・ルーキー

回答者

サラ・ルーキー

Sarah Lukie

クロップライフ・インターナショナル、植物バイオテクノロジー、規制・多国間関係部門、専務理事

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