GMO Answers

質問

質問者 Balch603(メリーランド州、レキシントンパーク)

遺伝子組み換えトウモロコシにはどのような遺伝子が含まれていますか?

回答

トウモロコシには約5万個の遺伝子が含まれており、トウモロコシの育種家たちは、従来型の育種を通してこれらの遺伝子を組み合わせ、様々な農業栽培体系において有用性の高い作物を作り出してきました。遺伝子組み換えツールの出現は、従来型の育種では困難であった、特定の遺伝子の付加による新たな形質の開発を可能にし、シーズンを通して害虫による被害を防いだり、特定の除草剤に対する高い耐性をもたせたりすることが出来るようになりました。例えば、一般的な土壌バクテリアであるバチルス・チューリンゲンシスの遺伝子を利用して、Cry1FやCry34/35Ab1のような殺虫タンパク質が付加され、別のバクテリアの遺伝子の利用により、2,4-Dやグルホシネートのような除草剤への耐性がもたらされています。これらの遺伝子を組込むことにより、潜在的なトウモロコシの高収量性を引き出すことができるのです。
GM作物に組み込まれる最も一般的な遺伝子は、害虫抵抗性に除草剤耐性をもたせたものですが、その他様々な農業形質や改良形質の開発も行われており、それらはこちら(http://www.cera-gmc.org/GMCropDatabase)で公開されています。

またデータベースの概略はこちら(http://www.cera-gmc.org/GmCropDatabaseResult/synopsis)からご覧になれます。

回答者 ニコラス・ストーラー博士

回答者

ニコラス・ストーラー博士

Dr. Nicholas Storer

ダウ・アグロサイエンス社、科学、バイオテクノロジー規制及び政府関係グループ、グローバル・リーダー

回答

これは良い質問です。最初に申し上げておきますが、モンサント社が開発したトウモロコシ種子のすべてに、挿入遺伝子が含まれているという訳ではありません。従来型トウモロコシのハイブリッド種子を栽培したいという農家もいますので、私たちはそれらの種子の開発や販売も継続しています。トウモロコシに特定の有用な遺伝子を付加する技術が発達したおかげで、収量を確保するための様々なツールが利用できるようになりました。遺伝子組み換えトウモロコシに付加される遺伝子は、大別して3つの種類に分けられます:除草剤耐性、害虫抵抗性、そして乾燥ストレス耐性です。

農家は、それぞれのニーズに合わせ、様々な遺伝子の組み合わせを持つトウモロコシ種子の中から、最適なものを選び、購入することができます。「Roundup Ready®」製品の中で1つの遺伝子だけが付加されたグリホサート耐性の製品「CP4」から、7つの遺伝子を含む製品まで、様々な選択肢があります:7つの遺伝子を含む製品には、除草剤耐性の遺伝子が2つ(グリホサート耐性の「CP4」及びグルホシネート耐性の「PAT」)と複数の殺虫タンパク質(Cry1A,Cry2Ab,Cry1F,Cry3Bb1及びCry34/35Ab1)の産生に係る遺伝子が入っています。後者の殺虫タンパク質は、土壌のバクテリアであるバチルス・チューリンゲンシスから開発されたもので、コーン・ルートワームや毛虫類(ヨーロッパアワノメイガやアメリカタバコガ、ツマジロクサヨトウなど)、その他の主要害虫に、シーズンを通して効果があります。

最近、私たちは別のバクテリアであるバチルス・サブティリス(枯草菌)からの遺伝子を導入しました。これにより、ストレス条件下でもトウモロコシの細胞はより効果的に機能し、乾燥ストレスがかかる期間でも、植物は水分をより有効に使えるようになります。

様々な作物に利用可能なすべての遺伝子の一覧はこちら(http://www.biotradestatus.com/)をご覧ください。

回答者 トム・エイコフ

回答者

トム・エイコフ

TomEickoff

モンサント社、農業システムリード

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