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2017/03/14更新

輸入国日本から見た遺伝子組換え作物の経済的インパクトについて調査報告を発表

輸入国日本から見た遺伝子組換え作物の経済的インパクトについて調査報告を発表


 日本は遺伝子組換え作物の栽培国ではないものの、年間約1,700~1,800万トンの遺伝子組換え作物を輸入する輸入消費大国です。しかし、その実態はあまり知られておらず、安全性やその必要性について国民の理解も十分得られていません。遺伝子組換え作物の栽培による経済的インパクトに関する研究論文は少なくありませんが、輸入による日本経済へのインパクトに関する論文はほとんど見当たらないことから、今回、その実態を探るべく、輸入国としての日本から見た遺伝子組換え作物の経済的インパクトついて、東京大学大学院農学生命科学研究科農業・資源経済学専攻経済学研究室の本間正義教授・齋藤勝宏准教授のチームが調査を実施し、2016年10月23日に環太平洋産業連関分析学会で発表しました。


【ポイント】
  1. 遺伝子組換え作物(大豆・トウモロコシ)*1の日本経済に対する経済的貢献
    • 遺伝子組換え作物の経済的貢献度を産業連関分析モデルで推計した。GDPに相当する粗付加価値額で見ると約1兆8千億円(所得変化の需要に対するインパクトを含まない)~4兆4千億円(所得変化の需要に対するインパクトを含む)であり、GDPの約0.93%に達する。
    • 所得に換算すると、1世帯当たり年間約2万5千円(同上)から6万円(同上)に相当する。
    • 同一モデルで算出したコメ産業の経済的貢献度の約3分の2に相当する。
  2. 遺伝子組換え作物(大豆・トウモロコシ)の輸入を停止した場合の影響
    • 遺伝子組換え作物の経済的貢献度を産業連関分析モデルで推計した。GDPに相当する粗付加価値額で見ると約1兆8千億円(所得変化の需要に対するインパクトを含まない)~4兆4千億円(所得変化の需要に対するインパクトを含む)であり、GDPの約0.93%に達する。
    • 所得に換算すると、1世帯当たり年間約2万5千円(同上)から6万円(同上)に相当する。
    • 同一モデルで算出したコメ産業の経済的貢献度の約3分の2に相当する。
【ファクトシート】
  1. 日本の穀物自給率は、トウモロコシはほぼ0%、大豆が約7%で、多くを輸入に頼っている。トウモロコシの総輸入量は年間約1,500万トン、大豆は約320万トン。
  2. そのうち、遺伝子組換え作物が占める割合は平均約85%、大豆は平均約92%。
  3. ナタネやワタなどを含む遺伝子組換え作物全体の推定輸入量は約1,700~1,800万トン。
  4. 輸入相手国は、トウモロコシは主に米国(約80%)とブラジル(16%)、大豆は米国(70%)とブラジル(15%)とカナダ(11%)など。
  5. 遺伝子組換えトウモロコシは主に飼料やでんぷん(コーンスターチ)、ぶどう糖など、遺伝子組換え大豆は主に、食用油やその搾りかすが飼料として使われている。
  6. 現在、でんぷん及びブドウ糖の約77%、大豆油のほぼ100%、畜産・酪農関係の約68%の生産を遺伝子組換え作物に依存している。
*1現在日本で流通している遺伝子組換え作物にはナタネやワタなどもあるが、本研究においては大豆・トウモロコシのみを計算に用いている。


■研究報告書(PDF)
遺伝子組換え作物の社会的便益の評価に関する研究」
遺伝子組換え作物の日本経済への貢献度の計測-
http://cbijapan.com/material/dl/news/20170314/2017031401CBIJ.pdf

■プレスリリース本文(PDF)
http://cbijapan.com/material/dl/news/20170314/2017031402.pdf

【調査結果に関するお問い合わせ】
東京大学 農業・資源経済学専攻
経済学研究室 准教授 齋藤勝宏
asaito●mail.ecc.u-tokyo.ac.jp

※●をアットマーク「@」に変更してメールを送信してください。

【その他本件に関するお問い合わせ】
バイテク情報普及会 事務局 
電話:03-3525-4805 /FAX:03-6206-4185
http://www.cbijapan.com/