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2006/03/30更新

セミナー「10年目の検証~遺伝子組み換え作物の世界経済・環境への貢献と<共存>の事例」を開催しました

バイテク情報普及会は3月13日、英国PGエコノミクスディレクターのグラハム・ブルックス氏を講師に招き、「10年目の検証~遺伝子組み換え作物の世界経済・環境への貢献と〈共存〉の事例」と題して、第6回メディアセミナーを都内にて開催しました。

1996年から栽培され今年で10年目を迎える遺伝子組み換え農作物が、世界経済や環境にどのような影響を与えてきたのか―英国のコンサルティング会社PGエコノミクス社のコンサルタントであるグラハム・ブルックス氏らが体系的に分析し、数値化を行った調査結果を2005年10月に発表しました。

今回のセミナーは、第1部でその詳細について紹介し、第2部では遺伝子組み換え農作物の栽培現場における共存政策について、調査を担当したグラハム・ブルックス氏にご報告いただきました。

まず、生産者に対する経済効果について、農業所得は1996年以降270億ドルの増加が見られ、2004年の時点で825万人の生産者が7800万ヘクタールで栽培を行っているとのこと。また、農薬については1996年以降、17200トンの大幅な削減が可能となりました。
環境影響については、各農薬の多様な環境影響を統一的な数値で表す手法としてEIQと呼ばれる指数を用いて、「エコロジカル・フットプリント」という環境に"負荷"を与える計測法の一つである新しい指標で分析を行っており、1996年以降では14%の「エコロジカル・フットプリント」が削減されたことになりました。
さらに、農薬散布の削減と不耕起栽培の推進による温室効果ガス排出への削減についても、1000万トン近くの二酸化炭素排出が減少しており、この数字は年間470万台の自動車が路上から撤去されたことに相当します。 このように、遺伝子組み換え農作物が経済面および環境面への多大な利益をもたらすことが、初めて数値化されたことで明らかになりました。

第2部では、これまでの商業栽培の実績の中で、生産者の栽培する権利や栽培多様性の確保の観点から注目されるようになった「共存」政策について、EUの状況、スペイン、北米の事例を紹介しながら、その基本的な考え方を説明しました。
これらの国では、共存の考え方そのものは目新しいものではなく、生産者は長年にわたって、特別用途の作物に対して効果的な手段を現場で導入してきた経緯があり、共存に関する仕組みはすべて、法的、実用的、科学的事実にもとづくべきであるとして、それぞれの地域における共存に関するガイドライン・規則の策定について具体的に述べました。
さらに、北米、EUでは組み換え作物、従来作物、有機作物の共存は成功しており、共存を実現させるためのツールは存在するとまとめています。

バイテク情報普及会では、遺伝子組み換えに関する消費者の認識において重要な役割を担うメディア関係者を対象に、遺伝子組み換え技術などのバイオテクノロジーに関する事実に基づく情報および科学的な情報提供のための活動として定期的にメディアセミナーを開催しております。なお、翌14日には本テーマに関心が高い食品業界関係者等を対象とした同セミナーも開催し、約50名の方にご参加いただきました。