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2011/07/25更新

バイテク情報普及会セミナー「遺伝子組み換え作物の世界における社会的経済的、環境的効果と輸入国から見たメリット」開催

 バイテク情報普及会は2011年7月13日(水)、英国PGエコノミクス社(PG Economics Ltd )ディレクター グラハム・ブルックス(Graham Brookes)氏を講師にお迎えして『遺伝子組み換え作物の世界における社会経済的、環境的効果と輸入国から見たメリット~英国コンサルティング会社、PGエコノミクス社の2011年調査報告書より~』と題したセミナーを開催しました。

 ブルックス氏は、農業経済学者として農業バイオテクノロジーに関する研究プロジェクトに長年携わり、遺伝子組み換え作物の社会・経済への影響、環境効果への寄与等について体系的に分析し、数値化の研究を行い発表してきました。

 セミナーでは、遺伝子組み換え作物の本格的な実用栽培が開始された1996年から2009年の期間において、農業所得および生産性などの経済的影響、農薬散布量の変化や温室効果ガス排出などの環境影響がどのように推移したか、ブルックス氏がまとめた報告書の概要について説明が行われました。

 遺伝子組み換え作物栽培によって、1996年から2009年までの全世界の農業所得は、647億4000万USドル増加しました。中でも発展途上国における経済効果が顕著に増加してきており、2009年には、増加した農業所得の53%が発展途上国の生産者におけるものとなっています。

 また、遺伝子組み換え作物の収量の増加は、穀物と油糧用作物の国際市場価格の低下にも貢献しています。遺伝子組み換え作物の国際市場価格への貢献(2007年ベース)の割合を作物別にみると、ダイズでは-5.8%、トウモロコシは-9.6%となっています。

 農薬の使用については、1996年以降使用量が3億9300万kg減少し、関連する環境への影響も17.1%削減されました。これは年間にEU(27カ国)が耕地作物に使用する農薬有効成分の1.4倍に相当します。作物別にみると、遺伝子組み換え害虫抵抗性ワタによる環境メリットが最大となっており、殺虫剤の使用量は1億5300万kgが節減できました。

 遺伝子組み換え作物による温室効果ガスの排出については、農薬散布や土壌耕起の減少に伴う、農業用機器の燃料使用量の削減による要因と、除草剤耐性作物で不耕起栽培が普及拡大したことによる、土壌中の炭素隔離(土を耕すことで土壌中から発生する炭素の抑制)の増加による要因から算出できます。2009年には、燃料使用量削減による二酸化炭素排出14億kgが節減でき、不耕起栽培の促進による二酸化炭素排出量は163億kgが抑制できました。これらを合計すると二酸化炭素排出量は177億㎏減少することができ、これは車780万台を1年間運転しない量に等しいものとなります。

当日の説明資料はこちらになります。→当日配布資料(PPT) 報告書の全文はhttp://www.pgeconomics.co.ukで参照可能です。