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2011/08/29更新

バイテク情報普及会 第5回つくばメディアツアー「実用化に向けた花粉症治療イネ開発ほか国内の遺伝子組み換え作物研究」を開催

 バイテク情報普及会は2011年8月9日、第5回つくばメディアツアー「実用化に向けた花粉症治療イネ開発ほか国内の遺伝子組み換え作物研究」を開催しました。ツアーは2007年から毎年開催しているもので、今回は約30名の新聞、雑誌等メディア関係者らが参加し、茨城県つくば市の(独)農業生物資源研究所など、最前線で研究が行われている研究所や施設を訪問しました。

 メディアツアーでは、茨城県つくば市にある(独)農業生物資源研究所、独)農業・食品産業技術総合研究機構 花き研究所のご協力のもと、実用化に向けて3年ぶりに再開されたスギ花粉症治療イネの試験栽培の様子などを見学した後、約21.5万点(2011年現在)におよぶ植物遺伝資源を保管するゲノム研究施設(ジーンバンク)、遺伝子組み換え花きの試験栽培などを見学し、研究者の説明を受け意見交換を行いながら進められました。

 最初に訪れた(独)農業生物資源研究所では、展示ほ場で実際に育てられている除草剤耐性ダイズと害虫抵抗性及び除草剤耐性トウモロコシの見学が行われました。慣行法で除草した畑には雑草が生い茂っているのに対して、除草剤耐性遺伝子組み換え作物の畑では、雑草が全く生えていない様子が一目瞭然でした。また害虫抵抗性トウモロコシのほ場では、担当者から茎やトウモロコシに入り込んだ害虫の様子が示され、参加者は直に観察することでそのメリットを実感している様子でした。

 また、隔離ほ場ではスギ花粉症治療イネが栽培されており、今後医薬品としてどのように開発が進められていくか、担当者から詳細の説明が行われました。スギ花粉症治療イネについては、政府が今年3月、農林水産物、副産物等の「地域資源」を活用した新素材の開発及び実用化を促進するために、医薬品として開発するための実証実験を本格化することを発表しています。この研究プロジュクトは、農水省の「アグリ・ヘルス実用化研究促進プロジェクト」として、つくばの生物資源研究所が実施するもので、2014年度の民間事業委託、2020年度からの商品化を目指して進められています。隔離ほ場見学の後、遺伝子組み換え研究推進室の田部井室長より、遺伝子組み換え研究農作物の栽培の国際的な状況とともに、日本における遺伝子組み換え研究の現状について解説をいただきました。

 午後に訪れた同研究所遺伝資源センターの植物遺伝資源部門では、イネ、ムギ、マメなど約21.5万点(2011年現在)におよぶ植物遺伝資源を保管するゲノム研究施設(ジーンバンク)を見学し、河瀬センター長よりジーンバンクの役割と、全国のジーンバンクシステムの概要、遺伝資源をめぐる国際交流についてお話を伺いました。

 引き続き(独)農業・食品産業技術総合研究機構 花き研究所を訪問し、実際に花きが栽培されている閉鎖系温室を見学した後、間上席研究員より同研究所が行っているキクの花色改変の研究の軌跡、青いキクの開発に向けた研究概要についてお話を伺いました。また研究室では実際にトレニアの多弁化、大輪化の研究についても触れることができました。
 参加者は研究者との意見交換など見学全体を通して、遺伝子組み換え技術の最先端研究について理解を深めた様子でした。