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2014/12/01更新

バイテク情報普及会、フォーラム「日本の農業を強くするためのヒント~成長するフィリピン農業を参考に~」を開催

11月19日(水)、バイテク情報普及会はフィリピン大使館の後援の下、「日本の農業を強くするためのヒント~成長するフィリピン農業を参考に~」と題し、バイテク情報普及会(CBIJ)フォーラ2014を開催しました。このフォーラムは、フィリピン、日本の両国から専門家と農業生産者を講師に迎え、バイテク作物の導入により、農業の生産性向上および競争力強化に成果を上げているフィリピンの農業を参考に、日本農業の今後の在り方および新たな農業技術の選択肢の一つであるバイテク技術の実用化について考える機会として開催されました。

フィリピンから、クロップライフアジアのソニー P. タババ バイオテクノロジー担当ディレクターとイザベラ州イラガン市の農業生産者プレスリー&ジョナリン・コルプス夫妻、 国内からは、東京大学大学院 本間正義教授と有限会社鍋八農産 八木輝治 代表取締役が講師として参加。フリーアナウンサーの村松真貴子さんの司会進行により、講演およびパネルディスカッションを実施し、メディア、行政、アカデミア、業界関係者など総勢100名の方にご参加いただきました。

開催にあたりCBIJ田中能之理事が挨拶。来賓としてご挨拶いただいたマニュエルM. ロペス駐日フィリピン大使と農林水産省 農林水産技術会議事務局技術政策課 松尾元課長からは、両国において重要な産業である農業の成長産業化に向け、バイテク技術に関するベネフィットと課題を共有できる機会として、本フォーラムへの期待が語られました。

講演は、はじめにクロップライフアジアのタババさんが、「バイテク作物の栽培と開発の現状 アジアとフィリピン」と題し、今後人口が増え続けるアジアにおいて食料安全保障が懸念される中、バイテク・トウモロコシ導入により、この9年間で生産量が80%増加したフィリピン農業の成功例を紹介。改良された種子形質や作物プロテクションを採用することで、2050年にフィリピンで飢餓リスクにさらされる人口は、著しく減少すると説明しました。

続いて、ご主人は消防士、夫人は小学校の教師の仕事を持ちながら農業を営むコルプス夫妻は、「コルプスファミリーの農業:未来へつなぐ農業」と題して講演。バイテク・トウモロコシの栽培により、農薬使用量が減り、作業が効率化し、収益が増加。2010年に0.5ヘクタールから始めたバイテク・トウモロコシ畑の面積は、現在6ヘクタールに増え、バイテク・トウモロコシの栽培により、家族だけでなく地域コミュニティ全体が恩恵を受けた体験を話しました。

次に登壇した東京大学大学院の本間教授は、「日本の農業の課題・農業改革とバイテク作物活用の可能性」と題し、アベノミクスの「攻めの農林水産業」や世界の食料安全保障の点からも日本の農業におけるバイテク技術の活用は重要であると語り、日本のバイテク研究への投資を拡大し、同時に正しい情報提供の場を多く設けるべきであると呼びかけました。

講演の最後は、愛知県海部郡近郊で、130ヘクタールの水稲作の部分作業受託を中心に、ダイズ、小麦栽培も行う鍋八農産の八木代表取締役が、「日本の農家の課題・新しい農業技術導入への期待」と題し、スマートフォンを活用した生産管理システムの導入をはじめ、作業効率化を図るための様々な取り組みによりコスト削減を実証している新しい農業経営について紹介するとともに、大豆の難雑草対策としてバイテクなど新たな栽培技術への期待が示されました。

フォーラム第2部では、「日本における新しい農業技術の導入とバイテク作物」と題してパネルディスカッションが行われました。北海道夕張郡で飼料用トウモロコシを栽培する有限会社 柳原農場 柳原孝二取締役と、一般財団法人消費科学センターの犬伏由利子理事がパネリストとして加わり、講演者とともに活発な討議を実施。バイテク技術の有効性が改めて確認され、導入の実現には、国や自治体の協力が必要であることが強調されました。最後に本間教授が総括を行い、「バイテク技術は日本農業の成長産業化に必要であるとともに、日本のバイテク技術が世界の農業をリードして、食料問題に貢献すべきである。また同時に、生産者だけでなく消費者にとって望ましいバイテク作物であるためのコミュニケーションが重要である。」と述べました。

バイテク情報普及会フォーラ

バイテク情報普及会フォーラム

フィリピンでバイテク作物を栽培するコルプス夫妻

フィリピンでバイテク作物を栽培するコルプス夫妻



講演スライド
クロップライフアジア バイオテクノロジー担当ディレクター:ソニー P. タババ氏
「バイテク作物の栽培と開発の現状 アジアとフィリピン」 講演スライド 【PDF】

フィリピン・イラガン市の農家:プレスリー&ジョナリン・コルプス夫妻
「コルプスファミリーの農業:未来へつなぐ農業」 講演スライド 【PDF】

東京大学大学院 農学生命科学研究科 教授:本間 正義氏
「日本の農業の課題・農業改革とバイテク作物活用の可能性」 講演スライド 【PDF】

有限会社 鍋八農産 代表取締役:八木 輝冶氏
「日本の農家の課題・新しい農業技術導入への期待」 講演スライド 【PDF】