日本の遺伝子組換え

遺伝子組換えの安全性の考え方

安全性評価のために開発者は何を行っているか

遺伝子組換え農作物の開発にあたって、開発者は、安全性を確認するために長い時間をかけて様々な試験を行っています。

導入された遺伝子がきちんと働いているか

遺伝子組換え農作物は、導入された遺伝子によって新たにタンパク質が産生されたり、農作物がもともと持っている酵素の働きを抑制することによって、目的とした性質を農作物に加えるものです。導入された遺伝子は、その由来と構造が明らかなものだけが用いられており、それによって作られるタンパク質や機能についてもあらかじめ分かっています。
これを踏まえたうえで、安全性評価の第一段階では、目的とする遺伝子がきちんと導入されて、目標が達成されたかどうか、確認試験を行います。開発初期のこの段階で、目的が達成されなかったことが判明したものは、ふるい落とされます。
また、選抜された組換え体について、その主要および微量成分の分析を行い、目的以外の成分が、増えたり減ったりしていないことを確認します 。

新たにできたタンパク質の安全性について

さらに、導入された遺伝子によって新たに作られたタンパク質の安全性を評価します。まず、新しく組み込まれたタンパク質アレルゲン(アレルギーの原因)にならないか、現在の科学技術を総動員して、特に念入りに調べられています。 私たちは食事を通して、何十万種類のタンパク質をとっていますが、そのすべてがアレルゲンとなるわけではありません。安全性評価の中で、現在アレルゲンとわかっているタンパク質とは類似点がなく、他の何十万種類のタンパク質と同程度に安全だと結論された場合のみ、商品化されることになります。さらに急性毒性については、加熱によって変性するか、胃腸中の消化液で短時間に分解するかを確認し、念のために、マウスを用いて急性毒性試験を行うこともあります。

環境安全性についても確認

遺伝子組換え農作物の栽培が、従来の農作物を栽培した場合と比べて、環境に与える影響が同程度かどうか、事前に確認を行っています。そのデータは農林水産省および環境省によって審査され、確認されています。遺伝子組換え農作物の開発者は、初めは空気や水の出入りさえも管理された実験室内で研究を進めて、安全性を確認しながら徐々に規模を拡大していきます。さらに、生物多様性(環境)に対する影響については、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)」に基づいて確認を行います。(詳細については環境Q&Aをご参照ください)

審査を経て安全性が承認されて初めて、商品化が可能になる

このように遺伝子組換え農作物の開発にあたっては、商品化前に科学的根拠に基づいて多項目に及ぶ安全性評価試験が開発者によって行われ、その後、国によって審査が行われます。この安全性審査によって承認されてはじめて、栽培、食品、飼料としての利用が許可されます。