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プレスリリース ISAAAが「遺伝子組換え作物の商業栽培に関する現状:2011年」とする年次報告書を発表遺伝子組換え作物の導入は世界で引き続き増加する見通し

遺伝子組換え作物の導入は世界で引き続き増加する見通し
導入規模が、29カ国の農業生産者1,670万人と1億6,000万ヘクタールの農地に達する

フィリピン、マニラ(2012年2月7日)- 遺伝子組換え作物技術の世界的な導入は、前例にないペースで広がり続けています。ISAAA(国際アグリバイオ事業団)が本日発表したプレスリリースによると、遺伝子組換え作物に関する年次報告書の著者クライブ・ジェームズ(Clive James)氏は、2011年に新たに1,200万ヘクタールの農地で遺伝子組換え作物の栽培が行われ、増加率は2010年対比で8%増であったとしています。

ジェームズ氏は次のように話しています。「前例を見ない遺伝子組換え作物の導入は、世界中の何百万もの農業生産者が、遺伝子組換え作物に圧倒的な信頼と信用を寄せていることを示しています。遺伝子組換え作物が1996年に商業化されて以来、世界29カ国の農業生産者が12億5,000万ヘクタール以上の土地で1億回以上、遺伝子組換え作物を栽培・再栽培する決断をしました。これは米国、もしくは中国の総国土面積より25%大きい数字です」

遺伝子組換え作物は2011年に、19カ国の発展途上国と10カ国の先進工業国を含む、合計29カ国の1,670万人の農業生産者によって、1億6,000万ヘクタールで栽培されました(2010年は1億4,800万ヘクタール)。これは1996年の170万ヘクタールに比べると、面積で94倍増であり、遺伝子組換え作物は近年で最も速いペースで導入された農作物技術と言えます。

発展途上国における導入のペースと面積は2倍増。
2011年は発展途上国でのニーズが顕著に現れました。遺伝子組換え作物の導入を先導している発展途上国は、ラテンアメリカではブラジルとアルゼンチン、アジアでは中国とインド、アフリカ大陸では南アフリカとなっており、これらの国の合計人口は世界人口の40%を占めます。

2011年における発展途上国での遺伝子組換え作物の増加率は11%、面積にして820万ヘクタール増であり、同5%、380万ヘクタールであった先進工業国に比べて、増加率と作付面積の両方において2倍の伸びを示しました。

発展途上国は、2011年に世界の遺伝子組換え作物の約50%を栽培し、2012年には先進工業国の作付面積を上回ると予測されます。さらにジェームズ氏によると、遺伝子組換え作物を栽培する世界の農業生産者の90%以上(1,500万人以上)が、発展途上国の資源に恵まれない小規模な農業生産者であり、2010年対比で8%、130万人増加しています。

世界中で顕著な進展を遂げる。
世界各地での進展は、遺伝子組換え作物のグローバルでの商業化において、全体的な展望を考える上で非常に重要です。

報告書の重要点は以下の通りです。
o 米国は6,900万ヘクタールで栽培しており、主要な遺伝子組換え作物での導入率が平均で約90%と、遺伝子組換え作物の栽培を引き続き先導しています。
o ブラジルは、栽培面積では米国に次いで第2位であり、作付面積は3,030万ヘクタールとなっています。ブラジルは3年連続で世界最大の増加率を示し、2011年は前年比20%、490万ヘクタール増という目覚ましい増加となりました。
o インドは10年間、遺伝子組換えワタの栽培に成功し、2011年には1,060万ヘクタールの作付面積を有し、ワタはインド国内で最も生産性と収益が高い作物になりました。
o 中国はワタ作付面積の71.5%(390万ヘクタール)で遺伝子組換えワタを栽培しました。この成長率は、平均してわずか0.5ヘクタール程度の耕作を行っている、資源に恵まれない小規模農業生産者700万人が遺伝子組換えワタを栽培した事によってもたらされました。
o フィリピンは、遺伝子組換えトウモロコシの作付面積が60万ヘクタールを超え、その増加率は20%でした。フィリピンはアジアで遺伝子組換えトウモロコシを栽培する唯一の国です。
o アフリカでは250万ヘクタールで遺伝子組換え作物が栽培されて、この他にも、新たに遺伝子組換え作物の導入を目指す国、また新たな遺伝子組換え作物の利用に向けて、認可取得プロセス中にある作物の圃場試験が進んでいます。

ブラジルが世界的成長の「エンジン」となる。
世界のリーダーたちは、ブラジルの多大な成長により、同国を世界的成長の「エンジン」と見なしています。

ジェームズ氏は次のように話しています。「ブラジルは迅速な認可システムを持ち、成長を支える3種の方向性を生み出しました。このモデルには、既に3,000万ヘクタール以上で利用されている民間企業の遺伝子組換え作物、開発から認可取得までを行う実績、能力を持つ官民のパートナーシップ、ウイルス抵抗性を持つ豆など“ブラジル国産”の遺伝子組換え作物を開発、商品化する能力が含まれます。これらが集まり、新しい遺伝子組換え作物の多様なパイプラインがブラジルへ提供されています。このアプローチはブラジルにおいて非常に効果的で、他の国々にとって重要な教訓になります」

将来の成功についての洞察
過去16年間に渡る遺伝子組換え作物の商業栽培を通じて、業界は様々なことを学んできました。規制および承認の各種要件から、強固な開発パイプラインの構築に至るまでの持続的な成長と開発の土壌が、産業界および官庁・公的機関の優れた見識とグローバルな技術革新を通して達成されてきました。

将来予測:
o 引き続き、遺伝子組換え作物(トウモロコシ、大豆、ワタ、ナタネ)が、高い導入率で栽培される事が見込まれます。2011年はこれらの作物が1億6,000万ヘクタール栽培され、現時点でこの他に、新たに約1億5,000万ヘクタールで遺伝子組換え作物が栽培される潜在的な可能性があり、うち3,000万ヘクタールは中国です。中国では遺伝子組換えトウモロコシを重視しており、肉類の国内消費が高まるにつれ、飼料作物としてのトウモロコシの需要も急速に高まっています。
o ヨーロッパ諸国では、遺伝子組換え作物の支持はさまざまです。2011年の遺伝子組換えトウモロコシ作付面積は、記録的な11万4,490ヘクタールとなり、2010年比25%増でした。一方で、BASF社は2012年1月中旬をもって、ヨーロッパでの栽培を意図した全ての遺伝子組換え作物の開発と商業化を中止しました。BASF社は、疫病抵抗性ポテト「フォーチュナ(Fortuna)」など、商品化に必要な作業を開始している商品については、EUの認可手続きを継続して実施します。
o 北米における遺伝子組換え小麦の商業化は、再検討されています。また多くの国や世界の企業において、乾燥耐性、病害耐性、穀粒品質改善など、小麦における一連の遺伝子組換え形質の開発が急ピッチで進められています。遺伝子組換え小麦は2020年までに商業化される見込みです。

遺伝子組換え作物の導入を成し遂げるためのISAAAのアプローチは、ビル・ゲイツ氏がG20へ提案した内容と一致しており、官/民及び先進工業国/発展途上国間での知識共有、技術革新、創造的なパートナーシップ、という3本柱を基盤にしています。ISAAAは、新しい遺伝子組換え作物技術の、タイムリーで効率的かつ効果的な開発(Development)、規制緩和(Deregulation)、および展開(Deployment)に基づいた、3方面の3D戦略を推奨します。

詳細またはエグゼクティブ・サマリーについては、http://www.isaaa.org/をご覧ください。

報告書は、ヨーロッパの2つの慈善団体、イタリアのブッソレラ・ブランカ財団(Bussolera-Branca Foundation)とイベルカハ(Ibercaja)の慈善部門から資金提供を受けています。ブッソレラ・ブランカ財団は、遺伝子組換え作物の知識共有を支援し、グローバル社会による意思決定を促進しています。イベルカハは、スペインのトウモロコシ生産地域に本部を構えるスペイン最大手銀行の1つです。

国際アグリバイオ事業団(ISAAA)は、知識と作物バイオテクノロジーの適用を共有することによって、飢餓と貧困の緩和に貢献するために設立された国際的ネットワークを持つ非営利団体です。ISAAAの会長兼創設者であるクライブ・ジェームズ(Clive James)氏は、過去30年間にわたりアジア、ラテンアメリカ、およびアフリカの発展途上国に在住して働き、作物バイオテクノロジーと世界の食糧安全保障を重視した農業研究開発に注力しています。

お問い合わせ先:ジョン・ダッチャー(John Dutcher)電話 (515) 334-3464電子メールdna@qwestoffice.net

ISAAA ホームページhttp://www.isaaa.org/

このプレスリリースのPDFは、以下のリンク先からダウンロードできます。
20120208_Press Release.pdf

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