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国際稲研究所(IRRI) 「ターボチャージャー付きイネ」の開発を促進

「日本のイネの収穫量は、17年間増えていない。世界でも、穀物の収穫量は、1950年から1990年までの間、平均して年率2.2%で増加したが、それ以降は1.3%にとどまっている。」元米国農務省の職員で、アースポリシー研究所のレスター・ブラウン氏は、英国のガーディアン紙にこう語っています。また、「世界では2050年に、現在よりも30億人も人口が増える。しかし、伝統的な育種家が収穫量を増やすためにできることは、ほとんどされ尽くしてしまっている」とも述べています。

このような状況の中、コメの収穫量を50%も増やせると期待されるのが、フィリピンにある国際稲研究所(IRRI)の「C4イネプロジェクト」です。

作物は、光合成によって、水と空気中の二酸化炭素から、炭水化物(糖類)を作りますが、作物の光合成のタイプは、メカニズムによって2つに分けられます。一方はC3型で、イネやコムギなど、多くの作物に見られます。他方、C4型を持つトウモロコシやサトウキビは、光合成に使う二酸化炭素を体内で濃縮する仕組みを持っており、効率良く光合成を行うことができるため、より速く大きく生長することができます。このC4型の光合成は、車のターボチャージャー付きのエンジンに例えられます。

IRRIは、遺伝子組換え技術を使って、C3型であるイネにC4型の仕組みを導入した品種の開発を進めています。現在、C4イネのプロトタイプを作る段階で、イネをC4化するのに鍵となる遺伝子として13個を特定し、そのうち10個の遺伝子の導入が完了したとしています。

ちなみに、このプロジェクトには、マイクロソフト会長のビル・ゲイツと妻メリンダが創設したビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団や、英国政府、IRRIから、2012年以降3年間に1,400万ドル(14億円)の資金援助が行われます。

「トウモロコシなど他の作物を栽培できない地域でもイネは栽培することができ、さらにコメは、貧困に苦しむ多くの人々を含め、世界の半分以上の人々の主食になっているため、C4をイネに導入することは重要だ」とIRRIのポール・クイック博士は述べています。

詳細は以下のサイトをご覧ください:

ガーディアン紙のウェブサイトEuropean capacity to grow food is plateauing, scientist warns:
http://www.theguardian.com/environment/2013/jul/08/european-capacity-grow-food-scientist

国際稲研究所(IRRI)のウェブサイトTurbocharged C4 rice(英語):
http://irri.org/index.php?option=com_k2&view=item&id=12438:the-state-of-play-genetically-modified-rice&lang=en#Turbo

IRRIのウェブサイトRice of the future gets financial boost(英語):
http://irri.org/index.php?option=com_k2&view=item&id=12382:rice-of-the-future-gets-financial-boost&lang=en

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