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遺伝子組み換えで綿実の有害成分を取り除くことに成功、食用化に期待

テキサスA&M大学の研究チームは11月22日、米国科学アカデミー紀要(PNAS)の誌上で、綿実に含まれる人体に有害な成分であるゴシポールを遺伝子組み換え技術によって取り除くことに成功したと報告しました。開発された綿実は、食用としての実用化が期待されています。

ワタは繊維の原料として広く栽培されていますが、綿毛を取った後に残る綿実には脂質やタンパク質が豊富に含まれ、食用油や飼料の生産が可能な大変有用な作物です。しかし、綿実には人体に有害な成分であるとされるゴシポールが含まれているため、精製過程でゴシポールを無害化できる綿実油は食用に流通していますが、タンパク質部分の搾り粕はゴシポールを胃で無害化できる牛などの家畜の飼料以外には使われていません。

綿実の食用化に向けて、1950年代に従来の育種技術によってゴシポールを減らしたワタが開発されましたが、ゴシポールは同時にワタの害虫被害を防ぐ働きも担っているため、葉が虫に食べられて栽培が難しくなるという弊害が出て、実用化には至りませんでした。テキサスA&M大学の研究チームは今回、遺伝子組み換え技術によって、可食部である綿実の部分ではゴシポールの産生を抑制する一方、葉や茎の部分では抑制しないことに成功し、より栽培しやすく食用にも適したワタの開発につながりました。

今後、環境影響や食品としての安全性確認を経て実用化されれば、これまでは廃棄か一部飼料にしか用いられなかった綿実が、5億人のタンパク質供給源になる可能性が試算されています。

PNASホームページ
http://www.pnas.org/cgi/content/short/103/48/18054

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