遺伝子組換えを様々な食品に活かされ日本の「食」を支えています
図1 日本の主な遺伝子組換え作物の年間輸入量(推定)

輸入穀物の半分以上が遺伝子組換えです

日本では1996年から遺伝子組換え作物を利用していますが、法的には認められているものの、商業的な栽培はしていません。研究開発のための試験栽培だけが実施されています。なお、観賞用の花(青いバラ、青いカーネーション)は商業栽培されています。

したがって、日本で食品として利用されている遺伝子組換え作物はすべて外国からの輸入で、その量はコメの年間消費量の約2倍にもなります(図1)。日本が輸入する年間穀物量(約3,100万トン)の半分以上は、遺伝子組換え作物なのです。

日本は遺伝子組換え作物を、米国をはじめブラジル、アルゼンチン、カナダなどから輸入しています。日本はトウモロコシのほぼ100%を輸入に依存していますが、輸入トウモロコシの約78%が遺伝子組換え品種だと推測されます。ダイズやナタネ、ワタも90%以上が組換え品種です。すなわち、日本は遺伝子組換え作物の「消費大国」と言えます。

遺伝子組換えでも表示義務がないものがあります

ふだん、私たちは「遺伝子組換えでない」という表示は目にしますが、「遺伝子組換え」という表示は見かけません。日本にたくさん輸入されているはずの遺伝子組換え作物は一体、どのような食品に使われているのでしょうか。

遺伝子組換え作物が何に使われているのか、私たちが知る手掛かりになるのが、食品表示です。遺伝子組換え作物を使っている、または使っている可能性がある場合、「JAS法」と「食品衛生法」により、そのことを表示することが義務付けられています。

表示義務の対象となるのは、ダイズ、トウモロコシ、馬鈴薯、ナタネ、綿実、アルファルファ、テンサイ、パパイヤの8種類の作物と、それらを原料とした33の加工食品です。ただし、原材料が同じダイズでも、豆腐や納豆、みそには表示義務がありますが、しょうゆや食用油には表示の義務がなく、かなり複雑です。https://cbijapan.com//jpgenetic/display/display02

表示が義務付けられているのは、組み込まれた遺伝子や、その遺伝子によって作られたたんぱく質が残っている可能性のある加工食品です。しょうゆや食用油は、製造の過程で酵素分解や加熱、精製などによってこれらが分解、除去されます。ですから、遺伝子組換え作物を使ったかどうか判別がつかないので、表示の義務がありません。また、遺伝子組換え作物が重量割合で上位3位までの「主な原材料」に当たらない加工食品は、表示が省略できることになっています。

日本に輸入された遺伝子組換え作物の大半は、表示が義務付けられていない加工食品や、私たちが直接目にすることのない家畜の飼料に利用されています。たくさん輸入されているにもかかわらず、「遺伝子組換え作物を食べている実感があまりない」というのはこのためです。

混入率5%以内なら「遺伝子組換えでない」と表示できます

原材料に遺伝子組換え作物を使用していない場合は、遺伝子組換え作物と非遺伝子組換え作物が混ざらないように、きちんと分別管理されてきたことを証明すれば、任意で「遺伝子組換えでない」と表示してよいことになっています。

ただし、どんなにきちんと分別管理しようとしても、同じ倉庫やコンベヤー、トラックなどを使っていることから、現実には完全な分別が極めて困難なのです。そこでダイズとトウモロコシについては、分別管理が適切に行われていて、わざとではない5%以下の混入であれば「遺伝子組換えでない」と表示することが認められています。つまり、「遺伝子組換えでない」と表示された納豆は、もしかしたら20粒に1粒は遺伝子組換えダイズかもしれないということです。

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