世界の遺伝子組換え

生物多様性条約とカルタヘナ議定書

COP10とMOP5とは

生物多様性条約とカルタヘナ議定書がそれぞれ発効して、概ね2年に一度、生物多様性条約締約国会議と(COP:Conference of the Parties) と、カルタヘナ議定書締約国会合(The Conference of the Parties serving as the meeting of the Parties of the Protocol: COP-MOPまたはMOP)が開催されてきました。

2010年10月名古屋で開催されたCOP10とMOP5とは、COPが10回目、MOP(正式にはCOP-MOP)は5回目という意味です。これらの会期中は、それぞれの締約国およびオブザーバーの非締約国、国際機関、NGOなどが一同に会し、各々の制度の履行・運営にかかわるさまざまな問題が議論され、多くの取り決めが採択されました。

【 図: COP10とMOP5の開催日程 】

COP10の主な議論

COP10において、中心的な議題となる2つの論点がありました。一つは、「2010年目標」の達成状況の検証と新たな目標(ポスト2010年目標)の策定、もう一つが、「遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS: Access and Benefit Sharing)」に関する国際的な枠組みの策定でした。ABSに関する国際レジームの交渉は、2003年以降継続的に実施されてきましたが、なかなか決着せず。国際レジームに関連して、その法的な拘束力をどの規定に付与するのか、対象はどの範囲にするのか、遵守のための仕組みなどが議論されてきました。これらの議論は、2010年のCBD-COP10までに一定の結論を出すことが合意され、今回で会議の交渉の期限を迎えるものの、遺伝資源の利用国(主に先進国)と提供国(主に途上国)の意見の隔たりを踏まえ、最終日には日本が議長案を各締約国に提示し、これが「名古屋議定書」として採択されました。 議定書の発効に向けた政府間委員会の設置や、その作業計画も決定されました。

一方、新たな目標(ポスト2010年目標)の策定については、「2020年までに生態系が強靭で基礎的なサービスを提供できるよう、生物多様性の損失を止めるために、実効的かつ緊急の行動を起こす」という趣旨の愛知ターゲット(愛知目標)が採択され、20の個別目標が合意されました。

条約新戦略計画(ポスト2010年目標該当箇所)(環境省仮訳)
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=16471&hou_id=13104
→詳細は「生物多様性条約のこれから

MOP5の主な議論

カルタヘナ議定書は第27条において、「LMOの国境を越えた移動から生ずる損害についての責任と救済」の国際ルールを求めています。しかしこれまで、民事責任を求める輸入国・途上国側と、多くの解決困難な法的問題が生じるとして民事責任には否定的な輸出国・先進国側の主張が合意に至らず、なかなか妥結できませんでした。

MOP5に先立って行われた第4回共同議長フレンズ会合においてこの議論は継続して行われ、最終的に11日未明に補足議定書案が合意に至りました。また、この時に補足議定書の名称を、交渉が開始されたCOP-MOP1の開催地であるマレーシアの首都クアラルンプールと名古屋の名前を両方とって「バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書の責任及び救済についての名古屋・クアラルンプール補足議定書」とすることが決定されました。

同日開始したMOP5では引き続き議論を行われ最終日である15日、財政的保障に関する規定を含めた国際ルールを定めた補足議定書が前回一致で採択されました。MOP5はこれを最大の成果として、閉幕されました。

→詳細は「カルタヘナ議定書のこれから