世界の遺伝子組換え

生物多様性条約とカルタヘナ議定書

カルタヘナ議定書のこれから

これまでのMOP

生物多様性条約の締約国会議(COP)が、カルタヘナ議定書の締約国会合(meeting of the Parties: MOP)としての役割を兼ねるとされているため、カルタヘナ議定書の締約国会合は 正式にはCOP/MOP と表記されます。カルタヘナ議定書の会合である COP/MOP が1週間ほど、生物多様性条約の全体会合である COP が2週間ほど行われます。

カルタヘナ議定書の「責任と救済」

カルタヘナ議定書は、第27条において「LMOの国境を越えた移動から生ずる損害についての責任と救済 (Liability and Redress) 」の国際ルール作成のプロセスを設けることについて定めています。つまり、輸入されたLMOによって悪影響が生じた際に、生物多様性の損害の判断基準、責任のあり方、救済の方法などについて、国際的なルールや手続きを定めようというものです。

この「責任と救済」は何を意味するのか。条文の第27 条には、次のように書かれています。「この議定書の締約国の会合としての役割を果たす締約国会議は、その第1回会合において、改変された生物の国境を越える移動から生ずる損害についての責任及び救済の分野における国際的な規則及び手続を適宜作成することに関する方法を、これらの事項につき国際法の分野において進められている作業を分析し及び十分に考慮しつつ採択し、並びにそのような方法に基づく作業を4年以内に完了するよう努める」 と記載されています。このように、「責任と救済」については、枠組としては決まっているものの、その詳細はずっと未定のままでした。

MOP5において「名古屋・クアラルンプール補足議定書」が採択

「責任と救済」の詳細な内容については、議定書策定時から調整が難航してきましたが、MOP5において各国がようやく合意に至り「バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書の責任及び救済についての名古屋・クアラルンプール補足議定書」として採択されました。

補足議定書でこれまで議論の中心になっていたのは、財政的保障と産品に関する二つの規定についての条項です。このうち、財政的保障については、将来的にLMOが繁殖して、在来種を駆逐するといった生物多様性に大きな損害を与えた場合を想定して、輸入国が原因者を特定して、現状回帰や補償を求めることができるとした内容で合意されました。

また、産品について補足議定書の対象となるLMOは、加工食品や調味料、油など手を加えたものは含まず、LMOそのものに限定しされました。

このように名古屋・クアラルンプール補足議定書が採択されたことによって、「もしもの時」の備えが強化されることになりました。