世界の遺伝子組換え

世界各国の法制度

大韓民国

【生産の状況】
 韓国においては、遺伝子組換え作物は商業栽培されていません。研究開発は、大学や公立研究機関(農村振興庁(RDA)所属機関を含む)で進められています。イネやトウガラシ、豆類、シバ、バレイショなどが研究されています。RDAが支出する「次世代バイオグリーン21プロジェクト」などでも研究が取り組まれています。

【安全性審査】
 安全性審査には、様々な観点から多くの省庁が関わっていますが、ここでは主な省庁の役割についてのみ述べます。
 農業食料農村省(MAFRA)は、遺伝子組換え生物の輸出入に関わる規制を行っていますが、MAFRAに属する農村振興庁(RDA)が組換え作物の環境安全性審査や野外試験の審査を担当しています。RDAの審査においては、国立生態学研究所(NIE)、国立漁業研究所(NFRDI)、韓国疾病対策センター(KCDC)などからの助言を求めます。
 食品医薬品安全処(MFDS、旧KFDA)は、食品、医薬品用途の遺伝子組換え生物の輸出入の規制、遺伝子組換え作物の食品安全審査、遺伝子組換え食品への表示義務の監督を担当しています。MFDSによる審査においても、上記のような関係研究機関からの助言を求める点は同様です。
 環境省(MOE)は、農業用途以外の遺伝子組換え生物(例えば、バイオレメディエーション用)の利用に関する安全性審査を担当しています。
 貿易産業エネルギー省(MOTIE)は、カルタヘナ議定書の責任省庁であり、国内の遺伝子組換え生物法のもとで、工業用途の遺伝子組換え生物に関わる開発・生産・輸出入・販売・輸送・貯蔵に関する責任を有しています。また当初総理官邸直属であったバイオセイフティ委員会がMOTIEの所管に移されるに伴い(2013年12月)、本委員会を主宰する役割を担うことになりました。
 スタック品種に関しては、簡略化された安全性審査手続きが取られますが、スタックを構成している個々のイベントについての審査が終了していることが前提となっています。そのためそうした審査が終わっていないイベントを含んだスタック品種が申請される場合には、個別のイベントの審査の終了を待つ必要があり、認可までの時間がかかります。

【表示】
 2013年の省庁再編に伴い、表示に関する規制は、食品医薬品安全省(MFDS)に集約されました。これ以前は、加工食品と非加工食品(原料)とで表示制度の担当省庁が異なっていました。
 現在の表示制度では、新規のタンパクやDNAが検知できる場合、重量ベースで上位5品目に遺伝子組換え由来の原材料が存在している食品には表示義務があります。遺伝子組換え食品の表示制度については、2001年3月からは作物、7月からは加工食品26品目(現在は27種類)について実施しています。遺伝子組換えを使っている場合は「遺伝子組換え」または「遺伝子組換え○○を含む」旨を表示しなければならないことになっています。なお、IPハンドリングを行った場合に、最大3%までは遺伝子組換え作物が(意図的でなければ)混ざっても良いとしています。また「遺伝子組換えでない」と表示した場合、わずかでも検出されると表示違反となりますので、こうした表示を行うことは現実的には困難と考えられています。
 表示制度をめぐっては、消費者団体が政府に改善を強く求めており、新規タンパクやDNAが検知できないものにも表示対象を拡大すべきと要求していますが、食品産業は価格高騰などを理由に反対しています。政府は妥協案として、2015年1月に表示対象を現行の上位5品目から拡大し、すべての原材料に関して遺伝子組換えが用いられている場合には表示対象とするとの提案を行いました(詳細はなお検討中)。
 また2007年11月からは、包装された動物用飼料(ペットフードなど)に関しても、遺伝子組換え由来の原材料が用いられている場合には、表示がされるようになりました。