世界の遺伝子組換え

世界各国の最新研究状況

バイテク(遺伝子組換え)作物の研究開発は、従来、トウモロコシやダイズ、ワタなどを主な対象とし、害虫抵抗性除草剤耐性の付与を目指して行われてきました。このような研究開発から生まれたバイテク作物は、農業の生産性向上や世界の食料需給の安定に貢献してきました。

しかしながら、増え続ける世界の人口や地球温暖化による影響は、従来にもまして農業に大きな問題を投げかけています。すなわち、農業は、ますます深刻になると予想される干ばつや土壌肥沃度の低下、病害虫による被害の増大、そして限りある農地の面積といった厳しい条件のなかで、食料の増産を成し遂げねばならないのです。他方、世界的な経済の発展や都市化の進展により、人々の食への要求は著しく変化・多様化しており、農業はこれらのニーズにも応えて行く必要があります。

現在、バイテク作物の研究は、食料の増産と言う視点では、より多くの地域で栽培できる乾燥耐性をもつ作物、痩せた土壌でも栽培可能な作物、益々強まる病害虫の加害にも耐えられる作物などに、また、多様な食への要求や利便性の向上という視点では、より栄養価の髙い、より健康に良い成分を含む、あるいは、変色しにくい、腐りにくい性質を持つ作物などに、開発の重点が置かれています。

最新の研究開発の例:

  • 地上部のみならず地下部を加害する害虫にも抵抗性を持つ作物(トウモロコシ)
  • 干ばつ時や水分の少ない土壌でも生育が可能な作物(トウモロコシ、コムギ)
  • より高い収量が得られる作物(トウモロコシ、ダイズ、アルファルファ、テンサイ、サトウキビ、コムギ)
  • 痩せた土壌でも育つよう窒素利用効率を高めた作物(トウモロコシ)
  • ウィルスに抵抗性を持つ作物(豆類)
  • カンキツ・グリーニング病に抵抗性をもつ作物(オレンジ)
  • リグニン含量を下げ飼料性を高めた作物(アルファルファ)
  • より健康によい成分(低飽和脂肪酸)を含む作物(ダイズ、キャノーラ、ヒマワリ)
  • βカロテンを多く含む作物(イネ:ゴールデンライス)
  • 褐変しにくいリンゴ
  • 傷に強いジャガイモ
  • 幾つかの除草剤に耐性をもつ作物、など

<参考資料>

「開発途上の植物バイオテクノロジー製品」

(2015年6月:クロップライフ・インターナショナル作成)【PDF】

※当資料は、CLIの会員企業から寄せられた情報を基に、トウモロコシやダイズ、ワタ、イネ、キャノーラ(ナタネ)、その他作物の開発途上の製品を掲載しています。