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第17回パンアジア農家交流プログラムのご報告

掲載日:2024年8月9日

2024年5月20日から24日の5日間、フィリピンにおいて第17回パンアジア農家交流プログラムが開催されました。クロップライフアジア、クロップライフフィリピンおよびフィリピンバイオテクノロジー連合が主催する同プログラムは、農業生産者、科学者、研究者、メディア関係者、規制当局関係者らが農業バイオテクノロジーに関する知識を共有し、交流するプラットフォームとして2007年に始まりました。第17回となる本年は、日本、中国、台湾、インド、ベトナム、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピンから34名が集まり、日本からは消費生活コンサルタントの森田満樹様、ジャーナリストの山口亮子様の他、大学関係者、農業ビジネス経営者、バイテク情報普及会関係者らの計6名が参加いたしました。

初日から2日目にかけてはマニラホテルにおいて、各国の農業バイオテクロジー事情について参加者間で情報共有を行いました。3日目はフィリピン大学ロスバニョス校 (UPLB) の研究機関を訪問し、同機関が開発する農業資材や害虫抵抗性遺伝子組換えナス (Btナス) の研究開発状況について聴講しました。4日目はパンガシナン州に位置するシンジェンタ社の展示ほ場を訪れ、Btトウモロコシが栽培されている様子を見学し、また実際にBtトウモロコシを栽培する生産者の方から話を伺いました。その後コルテバ社の種子加工工場を訪問し、集荷された種子が出荷されるまでの工程や管理を見学しました。遺伝子組換え作物の種子は、抵抗性害虫対策のために遺伝子組換えでない種子を5%の割合で混ぜた「Refuge in Bag」と呼ばれる種子袋として袋詰めされ出荷されます。最終日はマニラホテルに戻り、フィリピンのゲノム編集作物の規制状況や、ISAAAのサイエンスコミュニケーション活動について知見を深めました。

本年度は日程が農繁期にあたったため、参加を見送らざるを得なかった生産者の方もおられたのは残念ではありましたものの、参加された方々にとって、開発途上国において生産者のために遺伝子組換え作物を開発する研究者や、実際に遺伝子組換え作物を栽培することで生活が好転したという生産者の声を直接聞く貴重な機会になったようです。

なお、本年度のプラグラムの内容につきましては、森田様がFOOCOMメールマガジン第638号に「フィリピンの遺伝子組換え事情」としてご報告されております。また、山口様がご執筆された次の記事が新潮社のニュースサイト「Foresight」に掲載されております。

「嫌悪しながら大量輸入、歪んだ『遺伝子組み換え作物大国』日本の奇妙な食糧安全保障」
https://www.fsight.jp/articles/-/50748

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また、過去のパンアジア農家交流プログラムにつきましては次のURLから確認することが可能です。
https://www.farmers-and-innovations.org/

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