更新日:2023年9月1日

クロップライフ・インターナショナルの論文

国際的に調和の取れた規制制度は、イノベーションの促進やテクノロジーの進歩の遅滞ない享受にはなくてはならないものです。ここでは、バイテク情報普及会の上部組織であるクロップライフ・インターナショナルが発表した、科学的かつ国際的に調和した遺伝子組換え作物の規制制度実現のための提言についてご紹介します。

最初の商業化から25年が経過し、遺伝子組み換え作物のベネフィットや安全性に関する多くの科学的コンセンサスが蓄積されてきました。それにも関わらず、有望な新しい遺伝子組み換え作物の多くは、いまだそれらを必要としている人々に十分に届いていません。科学的に一貫し、より国際的に調和の取れた規制制度の実現により、農業革新はより迅速に農家へ届けられ、農家、消費者、そして環境へ今以上の恩恵がもたらされることが期待されます。

バイテク情報普及会の上部組織であるクロップライフ・インターナショナルは、Journal of Regulatory Science誌第9巻第1号(2021)に、科学的かつ国際的に調和した遺伝子組換え作物の規制制度実現のための複数の提言を発表いたしました。クロップライフ・インターナショナルのウェブサイトより、これらの提言およびそれらを要約したインフォグラフィック4点とファクトシート7点がご覧になれます。

バイテク情報普及会では、これらインフォグラフィックおよびファクトシートの日本語訳を作成しています。

上記提言のうち、環境リスク評価に関わるものについては育種学研究誌に邦文での解説記事を発表しています。問題の定式化(プロブレムフォーミュレーション)やデータトランスポータビリティといった概念、また日本の生物多様性影響評価との対比などを論じています。

食品および飼料の安全性評価に関わるものについては、生物工学会誌にバイテク情報普及会の助成による邦文解説記事が掲載されており、論文が提唱する仮説主導型の段階的評価アプローチと日本の安全性評価基準との比較や、今後の展望について論じられています。



インフォグラフィック

ファクトシート

解説記事

柳川拓志 (2021). 遺伝子組換え作物の環境リスク評価における問題の定式化に基づいたデータ要求の合理化とデータトランスポータビリティの考え方. 育種学研究. 23(2): 122-128
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsbbr/23/2/23_21J08/_article/-char/ja

松井恭子 (2023). 遺伝子組換え(GM)植物を用いた食品および飼料の安全性評価における合理的手法と展望. 生物工学会誌. 2023 年 101 巻 2 号 p. 96-101.
https://doi.org/10.34565/seibutsukogaku.101.2_96

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