米国

生産の概況

米国における遺伝子組換え作物の栽培面積は、2014年に7,310万ヘクタールにおよび世界最大となっています1。米国で栽培されるダイズの94%が遺伝子組換え品種です。同様に、ワタは94%、トウモロコシは92%が遺伝子組換え品種です2。これらの作物に関しては、遺伝子組換え作物の普及はほぼ一巡したといえます。その他、キャノーラ(ナタネ)、パパイア、テンサイ、アルファルファ、スクォッシュの栽培が行なわれています。

安全性審査

米国では、遺伝子組換え食品の安全性について、連邦食品・医薬品・化粧品法(FDCA)を根拠として、FDA(米国食品医薬品庁)が確認を行っています。安全性審査を受けることは法的には義務付けられていませんが、商品化にあたって開発企業はFDAに事前に安全性確認を自主的に求めています。米国では食品にも製造物責任が課せられていますので、FDAに事前確認を得ておくことが企業にとっても必要と考えられています。

また、環境中で栽培される作物に対しては、植物病害虫(plant pest)の危険性の観点からUSDA(米国農務省)が審査し、問題ないとされたものを認可(規制から除外)しています。規制の根拠法は、連邦植物保護法(PPA)です。USDAは、野外試験の認可・監督を担当していますが、野外試験の申請には届出制と許可制の2種類が設けられ、これまでの知見が蓄積されリスクが低い場合には、届出制による申請が可能です。

植物内で農薬成分を作り出すような害虫抵抗性作物については、EPA(米国環境保護庁)の認可も必要です。この場合の規制は、連邦殺虫剤・殺菌剤・殺鼠剤法(FIFRA)を根拠法としています。この種の作物の野外試験には、EPAの許可も必要ですが、小面積(0.4ヘクタール以下)であればこの手続きが免除されています。

なお、スタック品種に関しては、既存品種の掛け合わせと同等と考えられ、特別に安全性審査は行われていません。

また遺伝子組換え動物に関しては、新規動物薬を規制するという観点から、FDAがその安全性を審査しています(根拠法は、連邦食品・医薬品・化粧品法(FDCA)です)。さらに遺伝子組換え微生物に関しては、EPAが規制を担当しています(根拠法は、連邦有害物質規制法(TSCA))。

それぞれの法律のもとで、連邦行政規則(CFR)が制定されており、規則の詳細は、このCFRで規定されています。米国ではこれまで遺伝子組換え生物に関して新法を制定してきませんでしたので、この連邦行政規則の改定により対応がなされてきました。

表示

従来のものと同等であるという観点から、遺伝子組換えに関する表示は義務付けられてはいません。従来のものと著しく組成・栄養に変化がある場合には、その成分を表示します。 米国の表示制度は、「遺伝子組換え作物を使っていません」と表示することによって、”組換えではないほうが優良である”との誤認が生じることは望ましくないという考えに基づいています。もし、「遺伝子組換え作物を使っていません」と表示するなら、それが虚偽ではなく、誤解を与えないことを立証できることが条件となっていますので、基本的に「組換え不使用」等の表示はできません。遺伝子組換えに関する表示をする場合は「derived through biotechnology (バイオテクノロジーを使用)」や「bioengineered (バイオ技術適用)」という表現が望ましいとされています。

米国の州によっては、遺伝子組換え食品に対して表示を義務付けるよう法律を成立させた州もあります(コネティカット州やメイン州)が、実施はまだなされていません。

世界各国の法制度

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