韓国

※当ページに記載されている情報は、2018年11月現在のものです。

生産の状況

韓国においては、遺伝子組み換え作物は商業栽培されていません。2017年9月に、NGOとの協議にもとづき農村振興庁(RDA)は、組み換え作物の国内での商品化を行わないという決定を下しましたが(またこれに伴いRDA内の組み換え作物開発センターを解散しました)、「次世代バイオグリーン21プロジェクト」を含めて、研究開発自体は続けられています1。研究活動継続の目的は、気候変動への対応および輸入される組み換え作物のモニタリングのためとされています。

安全性審査

カルタヘナ議定書の締約国である韓国では、議定書を受けて国内法を制定し、2008年1月から施行されました(2012年12月に一部改訂)。安全性審査には、様々な観点から多くの省庁が関わっていますが、ここでは主な省庁の役割についてのみ述べます。

農業食料農村省(MAFRA)は、遺伝子組み換え生物の輸出入に関わる規制を行っていますが、MAFRAに属する農村振興庁(RDA)が組み換え作物の環境安全性審査や野外試験の審査を担当しています。RDAの審査においては、国立生態学研究所(NIE)、国立漁業研究所(NFRDI)、韓国疾病対策センター(KCDC)などからの助言を求めます。

食品医薬品安全省(MFDS、旧KFDA)は、食品、医薬品用途の遺伝子組み換え生物の輸出入の規制、遺伝子組み換え作物の食品安全審査、遺伝子組み換え食品への表示義務の監督を担当しています。MFDSによる審査においても、上記のような関係研究機関からの助言を求める点は同様です。

環境省(MOE)は、農業用途以外の遺伝子組み換え生物(例えば、バイオレメディエーション用)の利用に関する安全性審査を担当しています。

貿易産業エネルギー省(MOTIE)は、カルタヘナ議定書の責任省庁であり、国内の遺伝子組み換え生物法のもとで、工業用途の遺伝子組み換え生物に関わる開発・生産・輸出入・販売・輸送・貯蔵に関する責任を有しています。また当初総理官邸直属であったバイオセイフティ委員会がMOTIEの所管に移されるに伴い(2013年12月)、本委員会を主宰する役割を担うことになりました。

スタック品種に関しては、簡略化された安全性審査手続きが取られますが、スタックを構成している個々のイベントについての審査が終了していることが前提となっています。そのためそうした審査が終わっていないイベントを含んだスタック品種が申請される場合には、個別のイベントの審査の終了を待つ必要があり、認可までの時間がかかります。

表示

遺伝子組み換え食品の表示制度については、2001年3月からは作物、7月からは加工食品について実施されています。食品医薬品安全省(MFDS)の所管ですが、2016年2月の食品衛生法の改訂により表示制度が変更されました(2017年2月施行)。

それまでの表示制度では、新規のタンパクやDNAが検知できる場合、重量ベースで上位5品目に限定して、遺伝子組み換え由来の原材料が存在している食品には表示義務が課せられていました。これが新制度では、義務表示対象がすべての原材料に拡大されました。検知可能であれば、少量の原材料であっても表示が必要となりました。遺伝子組み換えを使っている場合は「遺伝子組み換え」または「遺伝子組み換え○○を含む」旨を表示しなければならないことになっています。

なお、改変されたDNAやタンパクが検出されない食品(油、砂糖、アルコール、しょうゆなど)に関しては、従前と同様、表示義務はありません。またIPハンドリングの証明がある場合には、最大3%までは遺伝子組み換え作物が(意図的でなければ)混入しても良いとしています。また「GMOフリー」の表示は認められていますが、製品の原材料重量の50%以上を占める原材料に関して、遺伝子組み換え原材料が検出ゼロであることが求められます(ゼロトレランス)。わずかでも検出されればGMフリーの表示違反となりますので、GMOフリー表示は現実的には困難と考えられています。

これらの表示制度の改訂の背景には、消費者団体からの強い要求が背景にあります。消費者団体は、新規タンパクやDNAが検知できないものにも表示対象を拡大すべきと要求していましたが、食品産業からは価格高騰などを理由に反対が強く、最終的には、上記のような改訂となりました。

包装された動物用飼料(ペットフードなど)については、2007年11月より、遺伝子組み換え由来の原材料が用いられている場合には、表示がされるようになりました。

※協力:名古屋大学大学院 環境学研究科 立川 雅司 教授

1USDA-FAS (2017) Korea -Republic of: Agricultural Biotechnology Annual. GAIN Report Number KS 1739.

世界各国の法制度

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