インド

生産の状況

インドでは、Btワタの商業栽培が2002年から開始されています。栽培面積は、1160万haに達し(2014年)、ワタの95%が遺伝子組換えで占められています(※1)。Btワタは6種類(イベント)が認可されています。

安全性審査

インドのバイオテクノロジー規制の基本法は、1986年環境保護法(Environmental Protection Act, EPA)であり、この法律において、遺伝子組換え作物の研究開発、商業栽培、食品・飼料の輸入などの承認に関する諸規定が定められています。本法のもとで、「有害微生物および遺伝子組換え生物の製造、利用・輸出入、保管に関する規則」(1989年)が定められ、この行政規則により規制が行われています。

商業栽培の認可や輸入に関わる安全性審査の最終決定機関は、環境森林省(MOEF)のもとで設置されている「遺伝子工学審査委員会」(GAEC)です。具体的な審査は、科学技術省(MOST)・バイオテクノロジー局(DBT)のもとで設置されている「遺伝子操作レビュー委員会」(RCGM)が担当しています。この委員会は、30?40名ほどの科学者や専門家などで構成されています。このようにインドにおいては、安全性審査に関して環境森林省と科学技術省が重要な役割を果たしています。スタック品種については、新たなイベントして扱われ、他のものと同様に審査の対象となっています。

農業省は安全性が確認された遺伝子組換え作物品種について、その評価や商品化を担当しています。

研究開発段階にある遺伝子組換え生物についてのバイオセイフティに関する審査は、科学技術省(MOST)のバイオテクノロジー局(DBT)が担当しています。2007年11月に、科学技術省は「国家バイオテクノロジー戦略」を公表し、規制枠組みの強化を目的として、バイオセイフティの審査を統括する独立機関「国家バイオテクノロジー規制庁(BRAI)」の設置を構想しました。2013年4月に、同省は、この構想案に基づいて「インドバイオテクノロジー規制庁設立法案」を議会に提出しましたが、政権交代などの影響もあり、検討がなされないまま廃案となりました。

食品安全の審査に関しては、「2006年食品安全基準法」のなかで遺伝子組換え食品(加工品を含む)に関する条項が含まれていますが、インド食品安全基準庁(FSSAI)による施行細則が未制定となっているために、上記のGAECが、1986年環境保護法のもとで食品規制を所管しています。

なお、政治的影響は、GAECの審査作業にも影響を与え、2012年から2014年の間はほとんど認可作業が進まないなど、遺伝子組換え認可が政治状況に左右されるようになっています。とくに、Btナス(brinjal)の認可をめぐっては、様々な動きが見られます。

表示

2006年3月、保健家族福祉省(MHFW)は、1955年食品汚染法(PFA)の改訂案を公表し、表示対象を遺伝子組換え食品にまで拡張する提案を行いました。同省のインド食品安全基準庁(FSSAI)は、関係業界へのヒアリング等を経て、表示規則に関して、新たに法制化された「食品安全基準法」(2006年)のもとで規定する規則案を検討していますが、最終的な決定には至っていません。なお、包装食品に関しては、消費者問題・食品・流通省(MCAFPD)・消費者局(DCA)が、別途遺伝子組換え食品表示の規定を「計量法(包装製品)」(2011)の改訂に盛り込みました(ただし、強制力がない規定とされています)。

世界各国の法制度

Pagetop