フィリピン

生産の状況

フィリピンは、東南アジア諸国のなかで、最も早くから遺伝子組換え作物の栽培を開始しました。2003年から遺伝子組換えトウモロコシの栽培が開始され、2014年にはトウモロコシ全体の約4分の1(80万ヘクタール)が組換え品種となっています1。またアメリカからの研究開発支援を受けつつ、遺伝子組換えナスの研究開発を進め、商業栽培に至る最終段階になっています。またフィリピン稲作研究所(PhilRice)や国際稲研究所(IRRI)を中心として、ゴールデンライス(ベータカロチン強化米)の研究開発も進められています。

安全性審査

バイオテクノロジーに関する基本法制は、フィリピン農業省(DA)が2002年に公布した行政規則第8号(DA-AO8)「モダン・バイオテクノロジーを用いて作出された植物および植物製品の輸入と環境放出に関する規則と規制」によって定められています。DA-AO8では、食品・飼料・環境の安全性を確保するために、国際的に広く受け入れられた方法に依拠しつつ、科学的リスク評価を行うことを規定しています。

この行政規則の根拠法としては、フィリピン植物検疫法(1978年)、農漁業近代化法(1997年)、畜産局と肥料・農薬庁の業務規程、1990年大統領令340号(バイオセイフティ国家委員会(NCBP)の設置に関わる命令)が該当します。

農業省内では関連部局が遺伝子組換え作物の安全性審査を分担して担当しています。具体的には、畜産局(BAI)が飼料安全性を、農業水産物基準局(BAFPS)が食品安全性を、植物産業局(BPI)が環境安全性を、農薬成分を作り出す植物に関しては肥料・農薬庁(FPA)が分担しています。また安全性審査は、科学技術レビューパネル(STRP)も農業省各部局と並行して審査を行っています。STRPは、学術機関と科学者で構成される独立機関です。

申請から認可までの流れは、概ね次のような手続きをとります(商業栽培申請の場合)。申請者が植物産業局(BPI)に申請を行うと、申請書類の不備の有無を確認します。不備がなければ、科学技術レビューパネル(STRP)、農業水産物基準局(BAFPS)にリスク評価意見を求めます。申請された作物の性質によっては、他の部局、例えば、飼料利用の場合には畜産局(BAI)にも、また農薬成分を含むものであれば肥料・農薬局(FPA)にもリスク評価意見を求めることになります。これらのリスク評価意見は30日以内に植物産業局(BPI)に戻されることになっています。また並行して、申請者には市民へのコンサルテーションの実施を求めます。以上の結果を集約した植物産業局(BPI)は、最終的な認可/却下の結果を申請者に通知します。このように、遺伝子組換え作物の規制においては、植物産業局(BPI)が中心的役割を果たしています。

なお、閉鎖系利用の許可に関しては、バイオセイフティ国家委員会(NCBP)の所管事項になります。

スタック品種に関してもケースバイケースで審査を行っています。

フィリピンは、カルタヘナ議定書の締約国です。

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食品表示は、フィリピン食品医薬品局(PFDA)が所管となります。フィリピンでは、遺伝子組換え食品に対する表示義務はありません。

世界各国の法制度

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