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東京大学農学生命研究科 乾燥と高温の両方に強い植物の開発に成功

東京大学農学生命科学研究科、国際農林水産業研究センターおよび理化学研究所の共同研究チームは、遺伝子組み換え技術を用いて、環境ストレスに対して強い耐性を持つ植物の開発に成功しました。乾燥と高温の両方に関与する遺伝子を活性型にすることで、乾燥ストレスにも高温ストレスにも高いレベルの耐性を示すようになり、その成果は米国アカデミー紀要(PNAS)2006年12月号に掲載されました。
研究グループはモデル植物のシロイヌナズナにおいて、乾燥ストレス耐性に関わる遺伝子群の働きを調節するキーとなる遺伝子の存在を明らかにして、DREB2Aと名付けました。そこで、このDREB2A遺伝子を活性型にしてシロイヌナズナに組み込んだところ、多数の乾燥ストレス耐性に関係する遺伝子のほか、高温ストレス耐性に関係する遺伝子も一度に強く働くようになり、乾燥と高温ストレスの両方で、野生型の植物ではほとんどが枯れてしまうような過酷な条件でも生存できる高いレベルの耐性を持たせることができました。
植物への乾燥と高温ストレスは、異常気象や地球温暖化により増大し、農業へも大きな影響を与えます。今回の開発された活性型DREB2A遺伝子は、異常気象や地球温暖化に対応した耐性をもつ作物の開発に有力な遺伝子であり、農業の安定や環境劣化などの環境問題に貢献できると期待されています。

東京大学大学院植物分子生理学研究室ホームページ
http://park.itc.u-tokyo.ac.jp/pmp/press/press.html

米国アカデミー紀要ホームページ

http://www.pnas.org/cgi/content/abstract/103/49/18822?maxtoshow=&HITS=10&hits=10&RESULTFORMAT=&fulltext=Dual+function+of+an+Arabidopsis&searchid=1&FIRSTINDEX=0&resourcetype=HWCIT

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