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フラボノイドを強化させた遺伝子組み換えトマトで糖尿病や心血管疾患のリスクを低下

遺伝子組み換え技術でトマトに含まれているフラボノイドの濃度を高めたところ、2型糖尿病や心血管疾患のリスクを低下させる可能性があることが、動物実験で確認されました。

この試験はBASF Plant Science社の支援により、植物の分子生理学、遺伝学、生化学および栄養学分野などの学術的な共同チームにより行われ、その成果はJournal of Nutritionの9月号で公表されました。

研究チームは、遺伝子組み換えによってフラボノイドを多く含むトマトを開発し、そのトマトの皮をマウスに1日あたり12mg、毎日与えてその効果を調べました。その結果、7週間後の血液中C反応性タンパク質(CRP)の濃度に大幅な低下が確認されました。C反応性タンパク質(CRP)は体内の炎症を示す指標で、血液中のCRP濃度が減少することで、2型糖尿病や心血管疾患のリスクを低下する可能性があることが知られています。従来のトマトを与えた場合との比較においても、遺伝子組み換えトマトのほうが有意にCRP濃度を下げました。なお、この摂取量は成人では3個分のトマトの皮に相当します。

BASF Plant Science社の栄養学者であるDietrich Rein博士は、「有用なトマトのフラボノイドの95%は皮に含まれます。野菜や果物の健康上の効用は一般に知られていますが、特定の作物によりC反応性蛋白質が減少し、心血管疾患のリスク低下に役立つ可能性が実証されたのは今回が初めてです」と述べています。

野菜や果物の摂取によるCRP減少のメカニズムや、ヒトにおける健康効果などは研究過程ですが、試験のコーディネーターであるエルランゲン大学教授Uwe Sonnewald博士は、この結果の重要性について、「遺伝子組み換え技術を用いて果物や野菜の成分を強化することによって、今後ヒトの食事の最適化が可能となり、疾患などの減少に役立つ可能性があることを示している」と語っています。

BASF Plant Science社は1998年に、植物バイオテクノロジーの可能性を利用するためにBASF社によって設立され、より効率的な農業に役立つ作物や、ビタミン高含有量のより健康に役立つ植物などの開発を行っています。

BASF Groupホームページ
http://corporate.basf.com/en/presse/mitteilungen/pm.htm?pmid=2474&n=10&id=5hiXh9X5gbsf0Vt

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