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遺伝子組み換え技術で珪藻類によるバイオ燃料の生産性を大幅に向上

California大学San Diego校のScripps海洋学研究所は2013年11月20日、海洋性藻類によるバイオ燃料の生産性を大幅に増強する方法を開発したと発表しました。バイオ燃料のうち、特に海藻から生産されるものは大きなソースとなりますが、藻類にとって飢餓状態が油分を蓄積するためのきっかけとなるため、油分を蓄積させようとすると生育阻害を起こしてしまいます。そのため、バイオ燃料として活用するためには藻類の生育を阻害せずに大量の油分を生成させることが課題でした。この研究チームは珪藻(けいそう=Thalassiosira pseudonana)として知られる藻類がもつユニークな多機能酵素に注目し、この遺伝子をノックダウンすることで代謝を改良して油分の生成を増加させるようにしました。その結果、この遺伝子組み換え珪藻は非組み換え珪藻に比べて3-4倍の油分を生成して蓄積するも、生育阻害を起こしませんでした。今回の研究成果は、海洋藻類からのバイオ燃料生産は代替エネルギーの経済的に持続可能な形をもたらすブレイクスルーとなり、他の藻類や生物種においても広く応用することが可能となると期待されるものです。

カリフォルニア大学サンディエゴ校 スクリップス海洋研究所のウェブサイト(英語)
Scripps Oceanography Researchers Engineer Breakthrough for Biofuel Production
https://scripps.ucsd.edu/news/13933

発表された論文(英語)
Metabolic engineering of lipid catabolism increases microalgal lipid accumulation without compromising growth
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24248374

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