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「Food and Chemical Toxicology」、セラリーニ論文の掲載を撤回すると発表

Food and Chemical Toxicology誌を発行するエルゼビア(Elsevier)社は、2012年11月に同誌に掲載された、フランスCaen大学教授Seralini(セラリーニ)氏ら研究グループらの論文「Long term toxicity of a Roundup herbicide and a Roundup-tolerant genetically modified maize(ラウンドアップ除草剤並びにラウンドアップ耐性遺伝子組み換えトウモロコシの長期毒性)」を撤回すると、11月28日に発表しました。

発表の中で同誌の編集主幹は、論文内容やデータについての綿密な検証を行うとともに、査読者への調査を実施し、認定結果を論文の著者らに通知するなどのプロセスを経て、最終的にこの論文の掲載撤回を決定したとして、次のようにコメントしています。

「この論文が掲載されるや否や、論文に示された結果は妥当性がない、供試動物が不適当である、さらには詐欺ではないかなど、様々な意見が同誌に寄せられたが、当誌の編集方針に基づいて調査した結果、詐欺行為やデータの意図的な誤用は無かった。しかしながら、供試動物の数が少なく、また特定の種類のラットが使われていたことについては、実験データを詳細に検討した結果、実験に使われたラットの数では、遺伝子組み換え作物やラウンドアップ除草剤がラットの死亡率や発がん率にどう影響したかを結論できないこと、同様に、実験に使用されたラット(Sprague-Dawley)は、元々腫瘍が発生しやすい種類として知られており、論文が示す実験結果は、この影響を無視しており妥当ではないことが確認された。

究極的に、論文の結論は不完全であり、Food and Chemical Toxicology誌が掲載する論文の水準に達していない。

Food and Chemical Toxicology誌の査読のプロセスは、論文の著者と読者に公正を期す上で、一定の機能は果たしているものの、時に十分でない場合がある。論文掲載後に寄せられる様々な意見は、掲載後に改めて査読の機会をもたらすなど、科学に基づいた対話にとって極めて貴重である。」 

この発表の詳細は以下のサイトでご覧ください。

Food and Chemical Toxicology誌を発行するエルゼビア社のプレスリリース(英語):http://www.elsevier.com/about/press-releases/research-and-journals/elsevier-announces-article-retraction-from-journal-food-and-chemical-toxicology

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