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植物バイテクをめぐる日本の研究成果:世界初、イネの干ばつ耐性を高める深根性遺伝子を発見(農業生物資源研究所)
独立行政法人農業生物資源研究所を中心とする研究グループは、イネの干ばつ耐性を高める深根性遺伝子を発見したと発表しました。研究グループは、この遺伝子をイネに導入することで干ばつ耐性が改良されることを確認、この遺伝子を活用することで、干ばつに強い作物の開発が期待できるとしています。この成果は、雑誌Nature Geneticsに発表されました。
根が土壌深くまで伸びる性質(深根性)は、乾燥地域において土壌深層から水を獲得するうえで重要な形質ですが、これまで深根性に関与する遺伝子は明らかになっていませんでした。
研究グループは、イネの深根性に関与する「DRO1遺伝子」を発見し、このDRO1遺伝子を、根の張り方が浅く干ばつに弱いイネに導入しました。その結果、このイネは、元の品種では収量がほとんど得られないほどの厳しい干ばつ状態でも、干ばつのない通常状態で栽培した場合の30%の収量が得られるなど、強い干ばつ耐性を示しました。これまで、世界中で干ばつ耐性の改良をめざした研究が数多く行われてきましたが、干ばつ耐性をこれほど飛躍的に高めた例はなく、世界で初めてであると述べています。
世界各地で発生する干ばつ被害に対し、こうした遺伝子を活用した干ばつ耐性の作物を開発することにより、トウモロコシのような畑作物の安定生産にも貢献できると期待されています。
詳細は以下のサイトをご覧ください:
http://www.nias.affrc.go.jp/press/20130802/