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東京大学大学院農学生命科学研究科、植物生長の仕組みを分子レベルで解明する研究成果2報

 東京大学大学院農学生命科学研究科の研究グループは2012年9月11日、植物の生長の仕組みを分子レベルで解明する2つの研究成果を発表しました。

 1つは、植物(シロイヌナズナ)の生長速度と環境ストレス応答のバランス調整に不可欠な転写因子GRF7の発見で、これによって植物は生育に適した条件下では環境ストレス応答を積極的に抑制する仕組みを持つことが明らかになりました。この仕組みに着目することで、生長の速い作物や環境ストレスに強い作物などを栽培する技術の開発が期待されます。この研究は、独立行政法人国際農林水産業研究センター、独立行政法人理化学研究所との共同で行われ、8月31日にThe Plant Cell(電子版)に掲載されました。

 もう1つの研究は、環境ストレスの中でも昨今被害が増大している干ばつによる作物への乾燥ストレスに対する技術の可能性を秘めたものです。具体的には、乾燥ストレス条件下でイネの生長の促進に関与する遺伝子OsPIL1を発見しました。この遺伝子を過剰発現させるとイネの背丈が通常の約2倍増加し、乾燥ストレス下ではこの遺伝子の働きを抑えることでイネの生長を抑えられていることが明らかになりました。この成果は、干ばつ下での植物の生育不良を改善する技術の開発や、植物のバイオマスを増産する技術に貢献すると考えられます。こちらの研究は、上述の研究機関に加えて、独立行政法人産業技術総合研究所も参加し、9月10日に米国科学アカデミー紀要(電子版)に掲載されました。

詳細は、東京大学大学院農学生命科学研究科が2012年9月11日に公表したプレスリリースをご参照下さい。
http://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/2012/20120911-2.html
http://www.a.u-tokyo.ac.jp/topics/2012/20120911-3.html

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