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かずさDNA研究所 世界で初めてバイオ燃料植物のゲノム解読

財団法人かずさDNA 研究所(千葉県)は、バイオ燃料を生産するのに有用な「ナンヨウアブラギリ(ヤトロファ)」(Jatropha curcas L.)の全ゲノム解読に世界で初めて成功しました。この研究は、大阪大学、国立遺伝学研究所、日本植物燃料(株)等と共同で行われ、その成果はDNAResearchのオンライン版で発表されました。  
ヤトロファは熱帯から亜熱帯地域で栽培されているトウダイグサ科の植物で、種子に良質の油を大量に含んでいます。有毒な物質を含むことから、食用としては用いられませんが、これまでもランプ用の燃料を始め、石鹸の材料、民間薬として用いられてきました。加えて、もともと干ばつや害虫や病原体などに強く、種子の収穫も比較的管理が簡単なため、最近では食料と競合しないバイオ燃料の原料植物として注目されています。 

今回の結果では、ヤトロファに存在する約40,000個の遺伝子が明らかになり、脂質合成や耐病性に関わる多数の遺伝子が発見されました。今後は、更に解析することで、ヤトロファの害虫や病原体に対する耐性や、油の生産に関与する遺伝子を明らかにする研究が大きく推進するとしています。品種改良の分野でも、良質の油を生産する品種や、劣悪な環境に強い品種の育成へ活用されることが期待されています。
かずさDNA研究所
http://www.kazusa.or.jp/

DNA Research(オンライン版)
http://dnaresearch.oxfordjournals.org/

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