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アントシアニンを多く含む紫色の遺伝子組み換えトマト、健康増進にも期待

英国Norwichの植物学研究所John Innes Centreは、アントシアニンを多く含む紫色の遺伝子組み換えトマトを開発し、2008年10月26日付で科学誌のNature Biotechnology(電子版)に発表しました。

アントシアニンは、ベリー類に特に多く含まれる色素成分です。ポリフェノールの1種で抗酸化作用があり、ガンや心血管疾患、加齢性の疾患などの予防効果が知られています。しかし、一般的な食生活における野菜や果物からは、これらの効果を得るのに十分なアントシアニンを摂取できない可能性が指摘されていました。

同研究所は、キンギョソウから得られるアントシアニンの生成に関わる遺伝子をトマトに組み込み、アントシアニンを多く含むトマトを栽培することに成功しました。このトマトは濃い紫色が特徴的で、ブラックベリーやブルーベリーと同等の水準でアントシアニンを含んでいます。加えて、アントシアニンを多く含む紫色のトマトと普通のトマトを、ガンにかかりやすい形質のマウスに与えて比較した実験では、紫色のトマトを与えた群において、マウスの平均寿命の有意な延長が見られました。

同研究所のCathie Martin氏は、「この研究は、慢性疾患の影響を減らすことで、食事を介した健康増進の可能性を示す代謝工学分野の最初の例であり、人々に大きな利益を与えることが期待できる」と述べています。次のステップでは、この紫色のトマトを摂取することによる健康増進効果を調べるための臨床データが収集される予定です。

Nature Biotechnology
http://www.nature.com/nbt/journal/v26/n11/abs/nbt.1506.html

John Innes Centre
http://www.jic.ac.uk/corporate/index.html

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