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メディアセミナー:世界の遺伝子組み換え作物2006年栽培実績について

バイテク情報普及会は1月31日、第10回メディアセミナー「世界の遺伝子組み換え作物 2006年栽培実績について」を開催しました。講師に国際アグリバイオ事業団(ISAAA)会長のクライブ・ジェームズ氏と、ISAAA国際コーディネーター兼東南アジアセンター理事長のランディ・ホーティ氏を迎え、世界の遺伝子組み換え作物の栽培実績と今後の予測についてご講演いただきました。

国際アグリバイオ事業団(ISAAA)は、遺伝子組み換え作物に関する情報を国際社会で共有するための活動を行っている国際的非営利団体で、収入の多くを発展途上国の農業生産者に対して、バイオテクノロジーの利用により飢餓と貧困を解決すべく活動をしています。

クライブ・ジェームズ氏は講演で、2050年には世界の総人口が90億人に増加するとの予測値などから、食糧を確保するために面積あたりの食糧生産を2倍に上げることを課題として示し、伝統的な作物の改良のみではこの課題を達成することは困難で、遺伝子組み換え作物は重要な手段であると述べました。

今後10年間の遺伝子組み換え作物の見通しについては、2006年に世界の遺伝子組み換え作物の栽培面積は1億200万ヘクタール、栽培国は22カ国、生産者は1,030万人でしたが、2015年には栽培面積は2億ヘクタール、栽培国は40カ国、生産者数は2,000万人になるだろうと予測しました。

将来への課題として、遺伝子組み換え作物に対する規制を効率化して効果的な管理を行うことや、知識や経験を国際的に共有することなどを挙げました。

質疑応答では、参加したメディア関係者から、今後のヨーロッパや中国などの栽培動向に関する質問のほかに、情報提供に関する質問なども出されました。

「遺伝子組み換え作物は、農業生産者のみならず消費者の利益になることをどのように伝えたらいいか?」との問いに対しジェームズ氏は、現在の除草耐性や害虫抵抗性などの遺伝子組み換え作物の利用によって利益を得ているのは、ほとんどが発展途上国の資源に乏しい小規模生産者であり、所得向上が貧困緩和に寄与していることを説明しました。そして消費者にとっても、二次的にトウモロコシのカビ毒が減って安全性の向上につながったこと、作物の価格面でも貢献していることなど、「さまざまな利点があるものの、これらのメリットは消費者には目立ちにくい」として、今後、栄養強化など消費者利益がみえやすい作物が商業化されれば、それに伴って市場の受け入れ態勢も改善するであろうと述べました。

また、「消費者に安心してもらうためにISAAAではどのような活動をしていますか?」との質問に対してジェームズ氏は、「消費者は現状が一番安全だというイメージを持っているため、新しい技術が社会に導入されてから、消費者に受け入れられるまで時間がかかります。だからこそ情報や知識をみんなで共有することが重要ですが、情報を与えられた人がどういった選択をするのかは本人が決めることです。ISAAAではその自主性を重んじることをとても大切にしている」と述べました。

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