GMO Answers
質問
遺伝子組み換え生物は土壌を汚染しますか?
回答
手短に言えば、答えは「いいえ」です。遺伝子組み換え生物は土壌に影響を与えません。具体的に言えば、次の三つの視点で説明することができます。
1.遺伝子組み換え作物は、遺伝子組み換えでない作物と全く同様に、分解されます。遺伝子は元々有機物で構成されていますから、土壌微生物によって速やかに分解されます。遺伝子自体は、開花や種子生産、あるいはクロロフィル合成に関わる遺伝子と何ら変わりはなく、単なるDNAであり、植物の組成に関わりをもつ成分なのです。
2.農薬耐性の作物に農薬を散布した場合、土壌中の残留農薬は、その他の散布物が分解、消失するのと同じ経路をたどって、分解、消失します。 多くの場合、遺伝子組み換え作物に使われる農薬は、他の農薬に比べ、より安全な環境プロファイルを持ち、残留性も低いという特徴があります。このため、遺伝子組み換え作物の栽培は、良好な環境プロファイルをもつと言われるのです。
3.Bt毒素(endotoxin)を産生する遺伝子を含む作物は、多くの害虫を防除するために利用されていますが、これらの作物は土壌中にBt毒素を放出します。しかしながら、Bt毒素については、幅広い研究が行われ、極めて安全であることが分っており、土壌環境中では速やか失効します。実際、微生物によって自然に生産されるため、Bt毒素は有機農薬としてみなされ、有機農業向けの農薬として承認を得ているのです。従来の農薬として散布されるか、遺伝子組み換え作物を通じて適用されるかにかかわらず、Bt毒素は土壌中で速やかに分解されるのです。
回答者 デービッド・ショー回答者
デービッド・ショー
David Shaw
ミズーリ州立大学、ガイルス・ディスティングイッシュト・プロフェッサー