GMO Answers
質問
(遺伝子組み換え作物には)リスクや欠点はありますか?
回答
この回答は言い訳がましく聞こえるかもしれませんが、何事にもリスクは伴う、というのは事実です。伝統的な育種法では、私たちは他の植物からとった花粉を用いて受精させることで、遺伝子の混合を行います。しかし、どの遺伝子が移動するのか、細胞レベルでどんなことが起きているのかは分りません。歴史を振り返ると、単なる植物の交配によって何か危険なものが生じたという事例がいくつか見られます。例えば「Lenape」バレイショやソラレン(psolaren)を多量に含んだセロリなどです。ゲノムは複雑ですから、極めてわずかとはいえ、意図しない結果が生じるリスクは常に存在します。
遺伝子組み換え(GMO)技術にも同様のリスクがありますが、導入される遺伝子が何であるかわかっているため、そのようなリスクが生じる可能性はより低いと言えます。私たちは導入された遺伝子を追跡し、それがゲノムのどこに定着するか、他の遺伝子に影響を与えるかどうかを確認することが出来ます。また、細胞内の様々なプロセスに対する影響、あるいは新たな毒性物質やアレルギー物質の産生に対する影響を調べる試験を行い、影響がないことを確認することが出来ます。この(GMO技術の)能力は、伝統的な育種法と比べ、リスクを遥かに低く抑えることができ、人類史上、最も安全な食品供給をもたらしました。
リスクを研究する専門家たちは、馴染みのなさや不安感が危機意識を増幅する、と指摘しています。遺伝子組み換え(GMO)は、ほとんどの人々にとって理解することが難しい科学技術であり、馴染みのないものです。さらに、この技術の反対派は、人々の恐怖心と不安感をかきたてるために虚偽の情報を流し、さも「フランケンシュタイン(化け物)」ができるようなイメージを植え付けました。これが、優れた(遺伝子組み換え)技術が「高いリスク」として認知されるようになった理由ですが、科学的な事実は、(この技術の)リスクがもっと低いことを示しています。
回答者 ケビン・フォルタ回答者
ケビン・フォルタ
Kevin Folta
フロリダ大学、園芸学科、教授兼学科長