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新潟県農業生産者の6割以上は遺伝子組み換えイネの研究に肯定的

遺伝子組み換えなどのバイオテクノロジーに関する事実に基づく情報および科学的な情報を提供・発信する任意団体であるバイテク情報普及会では、このたび、新潟県内の農業経営者50名を対象に、遺伝子組み換えに関する新潟県の規制条例や北陸研究センターの研究について意識調査を実施*。この調査結果では、新潟の農業経営者の6割以上は、北陸研究センターが行っている複合耐病性イネの研究に肯定的であり、約6割が遺伝子組み換え技術の必要性を認めていることなどがわかりました。また、6割以上の生産者が遺伝子組み換えを規制する県条例があることを知らなかった、という結果も出ています。以下が主な調査結果要旨です。
* 調査は(株)農業技術通信社。調査対象の内、44%の経営者が年間販売金額1,000万円以上を占める。

複合耐病性イネ、新潟県規制条例、農業経営の課題と
新技術の導入に関する調査結果

(主な調査結果)

北陸研究センターの複合耐病性イネの研究については、6割以上の生産者が肯定的
北陸研究センターの遺伝子組み換え技術によるイネの研究について尋ねたところ、「続けるべきである」「どちらかといえば続けるべきである」を合わせると62%が研究に肯定的である。この数字は、農業技術通信社が3月に独自に行った全国の農業経営者を対象とした調査(以下、「全国調査」という)の45.7%に比べて非常に高くなっている。

新潟県では、生産者の約6割が遺伝子組み換え技術の必要性を認めている
今回の調査結果から遺伝子組み換え技術について「必要」「どちらかといえば必要」を合わせると62%が必要性を認めており、全国調査(44)に比べると、必要性を認める割合が高いものとなっている。さらに、栽培意向について尋ねたところ、生産者の54%は遺伝子組み換え作物を栽培したいと考えている。

生産者の6割以上は、遺伝子組み換えに関する条例があることを知らない
新潟県の遺伝子組み換え作物栽培規制条例に関して尋ねたところ、62%の生産者に、この条例があることが知られていなかったことが明らかとなった。

生産者の3/4以上は、新潟県の規制条例があると遺伝子組み換え作物の栽培は不可能だと考えている
現在の条例の主な条件を確認してもらうと、78%の人がこの条例がある限り、遺伝子組み換え作物の栽培は不可能と考えている。具体的には、最も厳しい条件(第一位)として、イネで57m、大豆で20mの隔離距離をもうけることが41%を占め、次いで、まわりの生産者に対する説明会を開くこと、が21%を占めた。

規制条例が望ましくないと考える人は、海外との競争のための技術の遅れを心配している
遺伝子組み換え技術に関する自治体の栽培規制があることについては、望ましくないと考える人が4割を占めているが、その理由を聞いたところ、海外との競争のための技術の遅れを心配しており(42%)、特に遺伝子組み換え技術を「栽培したい」人では、「海外との競争をするためには技術の進歩を遅らせてはいけない」という理由を挙げる人が半数以上(54%)という傾向にあった。また、望ましいと考える人の理由は、37%が風評被害を心配していることがわかった。

条例については、現状維持と何らかの見直しが必要がほぼ同数
「遺伝子組み換え技術の条例は、技術の安全性確認や普及とともに今後どのようにすべきか」との問いには40%が「現状のままでよい」と答えているものの、「内容を見直すべき」「撤廃すべき」を合わせると、同数の40%の生産者は何らかの見直しが必要だと考えている。
(調査方法)
調査対象   新潟県内の農業生産者(農業に事業的に取り組む生産者)50名
調査方法   郵送配付、電話で説明・依頼、FAX回収
調査期間   2006年11月
調査会社   株式会社農業技術通信社
調査方法(PDF)

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