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「遺伝子組み換え植物の生物多様性影響評価に関する国際ワークショップ」開催

ILSI Japan主催・バイテク情報普及会協賛により、Crop Life Internationalエクゼクティブディレクターのデニス・デュワー氏とHorizonsディレクターのヴァン・デ・ミーア氏を講師に招き「遺伝子組み換え植物の生物多様性影響評価に関する国際ワークショップ」を11月28日都内で開催しました。

デュワー氏は米国における環境リスク評価に必要な、遺伝子組み換え作物の適切なデータ要件を中心に講演を行いました。初めに「環境リスク=ハザード×エクスポージャー」の定義について説明を行いました。LMO-FFP(栽培を目的としない食品・飼料としての遺伝子組み換え作物)輸入については野外環境への意図的な放出を伴わないことから「環境リスクは低い」とし、データ要件はリスクの程度に比例したものであるべきだと主張しました。
APHIS(米国農務省動植物検疫局)ではLMO-FFPの輸入に対しての全面的な環境リスク評価は必要ないとし、適切なリスク評価の要件の設定を提案しています。デュワー氏は業界からも「環境を保護しつつ貿易も促進する」ことが求められていると説明し、「科学的原則に基づいた現実的な決定過程を作り、免除あるいは迅速化したプロセスを達成していくことができる」と述べて講演を締めくくりました。

ミーア氏は、農業分野におけるバイオテクノロジーの役割と規制、バイオセーフティーに関する国際協定とEUにおける規制の枠組み、遺伝子組み換え作物の食品・飼料としての安全性評価の原則等について説明をした後、遺伝子組み換え作物の環境リスク評価を中心に講演を行いました。

遺伝子組み換え作物の環境リスク評価の目的は、環境に対する潜在的悪影響を同定し評価することであると説明し、意図しない影響があるか、影響の規模はどの程度か、受容・管理可能かまで評価することが重要であると述べました。ケーススタディの時間を設けて具体的にどのような評価が実施されているかを解説しました。

最近の環境リスク評価は、ますます多くの情報が求められる傾向にあるが、情報量が多すぎると安全性に関連した情報が埋もれてしまいかねないと指摘し、追加資料を求める場合にはその使い方を理解してから要求すべきであると主張しました。また、新しい技術に対してゼロリスクを求めていくことは危険なことであり「ゼロリスクを求めることで、ハイリスクからローリスクへの置き換えも難しくなる」との考えを述べて講演を締めくくりました。

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