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Food and Chemical Toxicology誌電子版Seralini氏論文への反響、その後
フランスCaen大学教授・Seralini(セラリーニ)氏ら研究グループが2012年9月19日付のFood and Chemical Toxicology誌電子版に発表した論文「Long term toxicity of a Roundup herbicide and a Roundup-tolerant genetically modified maize(ラウンドアップ除草剤並びにラウンドアップ耐性遺伝子組み換えトウモロコシの長期毒性)」については、様々な批判と疑問が噴出しました。
フランスでは、政府の要請により、バイオテクノロジー高等評議会(Higher Biotechnologies Council、HCB)とフランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)が10月22日に論文の評価についてコメントしました。いずれの機関も、実験自体の不備を認め、当該トウモロコシの健康被害と結びつくような科学的論拠は認められないとし、結論を出すためには公平な機関による長期実験が必要であると述べています。
【バイオテクノロジー高等評議会 10月22日 プレスリリース(英語)】
http://www.hautconseildesbiotechnologies.fr/IMG/pdf/Seralini_Press_release_122022.pdf
【フランス食品環境労働衛生安全庁 10月22日 ニュース(英語)】
http://www.anses.fr/PMGC006DI0.htm
また、フランスの農学、医学、薬学、科学、テクノロジー、獣医学の6つの学会が10月19日に共同声明を発表し、当該論文はトウモロコシの安全性を覆すものではなく、科学としての体裁を整えていないと批判しています。
【フランスの6つの学会による共同声明(フランス語)】
http://www.academie-sciences.fr/activite/rapport/avis1012.pdf
欧州食品安全機関(EFSA)はこの論文に対する最初の検討文書を10月4日に発表し、論文の問題点を指摘した上で、その後2度に渡り、Seralini氏らに対して追加情報の提供を呼びかけました。
EFSAはさらなる検討文書の発表を予定していましたが、EU各国(ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、オランダ)が出した評価の内容を精査するため、10月30日に、第二回の検討論文の発表を10月末から11月中旬まで延期することを公表しました。
【欧州食品安全機関 10月30日 ニュース(英語)】
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/121030.htm