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オーストラリア農業資源経済局、遺伝子組み換え作物導入の経済的利益を予測

オーストラリア農業資源経済局(Australian Bureau of Agricultural and Resource Economics;ABARE)は、5月に「オーストラリアにおける遺伝子組み換え作物の経済的影響」についての報告書をまとめました。
この報告書では遺伝子組み換え作物の経済的影響について、(1)遺伝子組み換えナタネのみを導入する場合と、(2)ナタネに加え、コムギ、トウモロコシ、ダイズ、イネの5種類の遺伝子組み換え作物を導入する場合の2つのシナリオに基づいて予測がなされました。

(1)の場合
2018年までの10年間で予測される経済的利益の累計はニューサウスウェールズ(NSW)州で3億4,900万豪ドル(約354億5,800万円)、西オーストラリア(WA)州で1億8,000万豪ドル(約182億8,800万円)、南オーストラリア(SA)州で1億1,500万豪ドル(約116億8,400万円)にのぼると予測されています。一方、遺伝子組み換えナタネの導入が5年遅れることによる経済的利益の累計はNSW州で1億5,500万豪ドル、WA州で8,300万豪ドル、SA州で4,900万豪ドルにまで減少することになります。つまりこれら3州で遺伝子組み換えナタネの導入が5年遅れると、合計3億5,700万豪ドル(約362億7,120万円)の逸失利益につながると考えられます。

(2)の場合
2018年までの10年間で予測される経済的利益の累計はNSW州で34億5,100万豪ドル(約3,506億2,160万円)、WA州で24億豪ドル(約2,438億4,000万円)、SA州で14億豪ドル(約1,422億4,000万円)、クイーンズランド(QLD)州で1億7,400万豪ドル(約176億7,840万円)にのぼると予測されています。一方、5種の遺伝子組み換え作物の導入が5年遅れることによる経済的利益の累計はNSW州で15億4,300万豪ドル、WA州で11億豪ドル、SA州で5億8,600万豪ドル、QLD州で1億1,500万豪ドルにまで減少することになります。つまりこれら4州で遺伝子組み換え作物の導入が5年遅れると、合計40億8,100万豪ドル(約4,146億2,960万円)もの逸失利益につながると考えられます。

結論としてABARE局長であるフィリップ・グライド氏は、「遺伝子組み換え作物導入の遅れは、オーストラリアの農村地帯において相当な経済的利益を失うことにつながる」と語っています。

*1豪ドル=101.6円(2008年6月現在)で計算
詳細は下記のアドレスをご参照下さい。

ABARE(オーストラリア農業資源経済省)ホームページ
http://www.abareconomics.com/publications_html/crops/crops_08/gmcrops_australia.pdf

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