新着情報

コメのカドミウム蓄積を抑制する遺伝子を発見

岡山大学の馬建鋒教授らは、コメやワラのカドミウム蓄積を抑制する遺伝子を発見しました。この遺伝子を利用することで、よりカドミウム含有の少ないコメの生産に貢献できると期待されており、この研究に関する成果は米国科学アカデミー紀要(PNAS)に発表されました。

カドミウムは強い毒性を持つ重金属で、安全基準値を超え多量に摂取すると人体に蓄積し健康被害を起こすこともあります。主食とするコメなどにも含まれるため、その低減は大きな課題とされてきました。

馬教授らは世界各地のイネ130種類のカドミウム集積性を調査、品種によってカドミウムが大きく異なることを突き止め、ジャポニカ品種に比べ集積性の高いインディカ米を用いて遺伝子の同定を行いました。
その結果、根の細胞に存在するOsHMA3タンパクをコードするOsHMA3遺伝子の同定に成功しました。OsHMA3タンパク質はカドミウムを細胞内の液胞に隔離する機能を持っており、カドミウム高集積品種のOsHMA3タンパク質はその機能を失っていることから、根に吸収されたカドミウムは、根の細胞内の液胞に隔離されることで蓄積を抑制されることが明らかになりました。

さらに、組み換え技術を利用してOsHMA3の発現量を高め、カドミウム汚染土壌に栽培したイネでもカドミウム濃度は大幅に低下し、そのほかの鉄や亜鉛には影響しないことも明らかとなりました。

この研究により、OsHMA3を制御することで低カドミウム米の生産に寄与できるとしています。

PNASホームページ
http://www.pnas.org/content/107/38/16500.abstract?sid=c75a49fa-12be-4bf8-9235-9eb85c460c7d
岡山大学プレスリリース
http://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/soumu-pdf/press-100903.pdf

Pagetop