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EU調査研究 消費者のほとんどは遺伝子組み換え食品を避けない

2008年10月、欧州議会のRobert Sturdy議員は「ヨーロッパにおける消費者の遺伝子組み換え食品の購入行動」に関する研究結果について、3名の研究者とともに記者会見を開き、遺伝子組み換え食品を積極的に避ける消費者はほとんどいない、という結果を公表しました。

ヨーロッパでは、主にダイズをベースとする遺伝子組み換え食品が69品目以上販売されています。今回の研究は、ロンドンのVivian Moses博士、スウェーデンのVictria Wibeck博士、スペインのLouis Kenbow教授により、ヨーロッパにおいて遺伝子組み換え表示が導入された2004年以来、スーパーマーケットや街角の食料品店など行きつけの店に遺伝子組み換えと表示された商品が置かれていた時、消費者がその商品をどのように選択し購入したかを調査、分析したものです。

研究で得られた結果は以下のとおりです。

*消費者は遺伝子組み換え食品が市販されていれば購入する。
*世論調査での答えにかかわらず、遺伝子組み換え食品を積極的に避けようとする消費者はほとんどおらず、また、意図的な操作を加えない調査では「遺伝子組み換え」が食品の対する不安項目の上位には上がらなかった。
*小売業者は遺伝子組み換え食品を仕入れる価値があるものととらえ、消費者も購入するだろうと考えている。

今回の研究では、一般に言われている消費者の行動のイメージと、実際の消費者の行動を比較し、また、ヨーロッパ10カ国の政治とメディアなどの背景や、市場の変化も考慮しながら考察されています。例えば、英国では2006年5月から2007年4月の間に、マスコミによって遺伝子組み換え食品や作物を好ましくないと報道された件数は、好ましいと報道された件数の2倍にも達していました。しかし、その後この傾向は逆転し、それは政府の代表者と科学者が、「遺伝子組み換え技術に対して明確に好意的な見解を示した」という政治的な変化と一致していると考察しました。

環境、農業、国際貿易などの数多くの関連会議に参加しているSturdy議員は、特に食品の安全が注視され、価格が高騰しているこの時期に、遺伝子組み換えの生産と取引に関するバランスのとれた議論は大歓迎であり「これまで、様々な議論の中で常に論理的に正しい科学を支持する立場を貫いてきたことからも、今回の研究を支持したい」と述べました。

EUROPEAN COMMISSION: FRAMEWORK 6
「DO EUROPEAN CONSUMERS BUY GM FOODS?」
http://www.kcl.ac.uk/downloads/schools/biohealth/research/nutritional/consumerchoice/full-part01.pdf

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