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第9回高校生科学教育大賞 最優秀賞 山形県立置賜農業高等学校の授賞式を行いました

掲載日:2025年8月25日

バイテク情報普及会は、2025年7月30日、第9回高校生科学教育大賞で最優秀賞に選ばれた山形県立置賜農業高等学校(山形県東置賜郡川西町)の授賞式を同校にて執り行いました。学校からは担当教員の遠藤忠樹先生と当活動を行う生徒に参加いただき、バイテク情報普及会事務局長の熊谷善敏より表彰状、楯、目録を授与しました。

バイテク情報普及会は、高校生及び高等専門学校の皆様に「持続可能な農業」や「植物バイオテクノロジー」についてより深く学び考えるきっかけとしてもらうことを目的とした教育支援活動を行っております。その一環として、「高校生科学教育大賞」を2017年に設立し、高校生及び高等専門学校の皆様から支援対象の科学活動を公募しております。第9回となる本年は、全国から21件の応募をいただきました。

その中で山形県立置賜農業高等学校による活動計画「山形県の花『最上紅花』の遺伝子解析およびゲノム編集による新品種開発に関する研究~植物バイオテクノロジーを学ぶ高校生の挑戦~」(活動計画概要PDF)」が選考会において最優秀賞に選ばれ、当活動の支援金として100万円がバイテク情報普及会より支給されることになりました。

山形県の花として親しまれている「最上紅花」は日本農業遺産にも登録されており、染料・生薬・油料・化粧品・食用など幅広い用途があります。しかし、栽培には病害虫対策や花摘み作業に労力がかかるほか、栽培者の高齢化なども課題となっています。

今回、最優秀賞に選ばれた同校の研究は、バイオテクノロジーの授業で習得した遺伝子解析やゲノム編集の基礎知識を活用し、病害虫に強い優れた新品種の開発にゲノム編集技術で挑む取り組みです。伝統作物の改良に最先端のバイオ技術を導入して新品種の創出を目指すベンチャー企業のようなチャレンジ精神に加え、小中学生向けの実験講座をはじめとする様々な啓発活動や情報発信を計画するなど、科学技術の理解促進にも積極的に取り組む姿勢が高く評価されました。

同校の最優秀賞受賞は、2023年のダリアの研究に続き、2度目となります。

授賞式に続いて、生徒の皆さんによる「最上紅花」と「ダリア」をテーマとした研究発表が行われました。ダリアの研究では、ウイルス、ウイロイドフリーのダリア苗の開発に成功し、地元の農家の方々の生産に大きく貢献しているとのことです。地域の伝統や産業に根ざしたテーマを自ら選び、探究を重ねてきた高校生の皆さんの姿勢には、真摯さと熱意が感じられました。こうした若い世代の取り組みに触れられたことは、私どもバイテク情報普及会にとっても非常に有意義な機会となりました。

受賞した生徒の皆さん、ゲノム編集による品種開発へのチャレンジに期待しています!

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