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新しいバイテクの可能性

バイオテクノロジーを応用した、様々な可能性が研究されています。

例えば、鼻にツンとくる刺激で涙を出させるため、料理するときには困りもののタマネギですが、先ごろ、涙が出ないタマネギが作れるかもしれないという研究が、ハウス食品(株)研究グループから発表されました。

これまで、タマネギを切った時に発生する涙を出す成分(LF)は、アリイナーゼという酵素の働きによって連続的に起こると考えられてきました。しかし今回、アリイナーゼが働いた次のステップで働くLF合成酵素(LFS)という新しい酵素が発見され、LFSが働いてはじめてLFが合成されることがわかりました。
そこで、LFSが働かないようにすることができれば、涙の出ないタマネギを作ることが出来るのではないかと考えられています。

さらに、LFの合成が抑制されると、タマネギにもともと含まれている香り成分や、生理活性物質が増えることがわかっています。今回の発見ではLFSの遺伝子も特定されていますので、遺伝子組み換え技術を用いて「涙の出ないタマネギ」ができる可能性も含めて、同社では研究をさらに進めていくとしています。

このように遺伝子組み換え技術を含め、バイオテクノロジーを用いることで、今後は毎日調理する消費者にとっても、メリットを感じられる食品の開発が進むと思われます。さらに研究が進めば、例えば皮の剥きやすいタマネギの開発とか、手の痒くならない山芋といったように、バイオテクノロジーの持つ夢も広がっていきそうです。

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