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遺伝子組み換えで細菌のダイオキシン分解能力が2倍に

京都大学大学院農学研究科の村田幸作教授らのグループは、土壌中のダイオキシンを分解する能力のある細菌の表層に、動物の口のような器官を新たにつくることによって、ダイオキシン分解能力を倍増させることに成功し、1月15日付のネイチャー・バイオテクノロジー電子版で発表しました。
同グループは、土壌中から取り出した細菌(スフィンゴモナス属細菌 A1株)が、細胞表層に極めて大きな「体腔」(孔:あな)を形成することを世界で初めて発見し、この「体腔」は動物の口に類似した開閉自在の器官で、高分子物質を丸呑みし、濃縮して取り込む「超チャネル」の一部として機能していることも明らかにしました。
そこで、「超チャネル」形成に係る遺伝子をA1株から取り出し、ダイオキシンを分解する能力を持つ別の細菌(RW1)の中に組み込んだところ、RW1がダイオキシン類を分解するためにかかる時間を、4日から2日に短縮することに成功しました。
ダイオキシン類は、ものを燃焼する過程で自然に発生する環境汚染物質で、一度に大量に摂取すると急性毒性や発ガン性があるとされていますが、通常の生活の中で摂取するレベルの量ではヒトの健康への影響はありません。主な発生源であるごみ焼却施設の改善対策が進められて環境基準がほとんど達成されるようになっており、さらにダイオキシン類の無害化・分解技術の開発が進められているところです。
今回の研究成果を応用すれば、細菌を利用して巨大分子の有害廃棄物を効率よく分解したり、さらには高分子物質を新素材へ変換すること等も可能となり、環境や食品などの様々な分野への波及効果が期待されます。

ネイチャー・バイオテクノロジー
http://www.nature.com/nbt/journal/vaop/ncurrent/abs/nbt1181.html

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