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IPGEconomics 遺伝子組み換え作物による経済、環境へ好影響と発表

英国のPGEconomics社は、遺伝子組み換え作物が導入された1996年から2008年までの13年間における、経済的影響と環境への影響を定量化した報告書を発表しました。研究を行った経済学者は、「1996年の遺伝子組み換え作物導入以来、温室効果ガスの排出や農薬使用量の削減するほか、生産量の増加やなどから食糧保障にも寄与している」とまとめており、また「これらの効果は途上国へも届いている」とコメントしています。

【報告書の概要】
遺伝子組み換え作物の導入によって田畑を耕す回数が減ることで、燃料の使用量を削減、また土壌中に貯留する炭素が増加し、二酸化炭素(CO2)の排出量が導入以来、156億kg削減されました。
害虫抵抗性、除草剤耐性の作物の導入によって、1996-2008年の間に農薬使用量が3億5200万kg(-8.4%)削減されました。また、環境影響を定量化した「環境影響指数(EIQ)※1」でも、16%低下しており、環境へ好影響を与えています。(表1)
遺伝子組み換え作物による2008年の生産者所得の増加額は94億ドルで、このうち半分は発展途上国の生産者によるものであり、途上国も先進国も同様に利益を得ていることが示唆されました。(表2)
1996年の導入以来、大豆とトウモロコシの生産量をそれぞれ7400万トン、8000万トン増加させ、ワタでは860万トン、ナタネでは480万トンの生産量の増加に寄与しました。

※1 EIQ:農薬の環境への影響を、毒性と暴露の度合いから算出した数値。同じ毒性でも、分解の早い物質は分解の遅い物質と比較すると低くなります。

PG Economicsプレスリリース
http://www.pg-economics.co.uk/page/19/Biotech-crops-continue-to-make-important-contributions-to-sustainable-farming-and-to-global-food-affordability

遺伝子組み換え作物の形質 環境影響(EIQ)指数の変化(%)
除草剤耐性大豆 -16.6
除草剤耐性トウモロコシ -8.5
除草剤耐性ワタ -5.5
除草剤耐性ナタネ -24.3
害虫抵抗性トウモロコシ -29.4
害虫抵抗性ワタ -24.8
合計 -16.3
(1996-2008年)
表1 遺伝子組み換え作物の導入による環境影響指数(EIQ)の変化
  Global Impact of Biotech Crops: Environmental Effects, 1996-2008より取りまとめ

1996 – 2007 2008
米国(GM大豆) 9808 1220
カナダ(GM大豆) 103 13
アルゼンチン(GM大豆) 3339 233
ブラジル(GM大豆) 2154 592
パラグアイ(GM大豆) 444 59
インド(GM大豆) 3388 1790
表2 遺伝子組み換え作物の導入による農業所得の向上(百万ドル)
  GM crops: global socio-economic and environmental impacts 1996-2008より取りまとめ

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