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HIV抗体を産生する遺伝子組み換えトウモロコシ、開発途上国での利用に期待

スペインのリェイダ大学の研究チームは、遺伝子組み換えトウモロコシを使ってHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に対する抗体を安価に高収量で生産することに成功しました。この成果は3月11日に米国科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載されました。世界のHIV感染者は2006年現在4000万人を超えており、2004年と比べ200万人以上増加しています。世界のHIV感染者の約7割はサハラ以南のアフリカに住んでおり、2006年にはこの地域でHIVにより200万人が死亡しています。そのためこのエリアでの治療法の確立が急務とされています。現在注目されている治療法の1つとして、HIV抗体を用いて患者の体内でのHIVの増殖を防ぐ方法があります。HIV抗体は哺乳類の培養細胞を用いて生産することが可能で、治療や予防に効果があることも確認されています。しかしこの方法はコストが非常に高く、大量生産には向かないなどの問題点があるため、対応が求められる開発途上国での利用は見込めないのが現状です。今回リェイダ大学の研究チームでは、遺伝子組み換え技術を用いてトウモロコシにHIVに特異的な抗体の遺伝子配列を導入しました。このトウモロコシからはHIV抗体を効率よく生産することができます。開発された遺伝子組み換えトウモロコシから生産されるHIV抗体には、従来の哺乳類の培養細胞を用いて作られたものと同等かそれ以上の効果があることが確認されました。さらに、大量に生産できるためコストが安く済むこと、冷蔵保存が不要なことなどから開発途上国での利用が期待されています。

米国科学アカデミー紀要(PNAS)ホームページ

http://www.pnas.org/cgi/content/abstract/105/10/3727?maxtoshow=&HITS=10&hits=10&RESULTFORMAT=1&andorexacttitle=and&andorexacttitleabs=and&andorexactfulltext=and&searchid=1&FIRSTINDEX=0&sorts pec=relevance&volume=105&firstpage=3727&resourcetype=HWCIT

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