新着情報

花や葉を作る植物ホルモンの「流れを生み出す」仕組みを発見、奈良先端科学技術大学院大学の研究グループ

植物が花や葉を作るのに必要なホルモンであるオーキシンについて、植物体内で働く場所まで届けるための「流れを生み出す」仕組みを明らかにした、と奈良先端科学技術大学院大学の古谷将彦助教、田坂昌生教授らのグループが発表しました。この成果は、多くの大輪の花をつける園芸植物の開発や農作物、植物バイオマスの増産に役立つと期待されます。研究成果は、平成26年1月6日付けで米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)の電子版に掲載されました。

オーキシンは、植物ホルモンの一種で、細胞の伸長、分裂、分化などを促進する作用があるため、根や葉など器官の発生、葉脈のパターンなどさまざまな現象に関わります。オーキシンは、合成された部位から機能する部位に輸送されますが、その流れを生み出す源の仕組みは解明されていませんでした。

研究グループは、「MAB4遺伝子群」の機能を失い花をつくらないシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の株を解析し、この株でオーキシンの流れが滞っていることを発見。MAB4遺伝子群がオーキシンの流れを制御することを明らかにしました。今後、オーキシンの流れを操作することにより、花や葉の形や配置を自在に変えられる可能性があるとしています。

詳細は以下のサイトをご覧ください:

米国科学アカデミー紀要: MAB4-induced auxin sink generates local auxin gradients in Arabidopsis organ formation.
http://dx.doi.org/10.1073/pnas.1316109111

奈良先端科学技術大学院大学:花や葉を形作る分子メカニズムを解明
http://www.naist.jp/pressrelease/detail_j/topics/1693/

Pagetop